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「人権侵害がまかり通る日本の異常さ」

2021年3月に名古屋入管で適切な治療を施されず亡くなったスリランカのウィシュマ・サンダマリさんの死亡事件により、日本の入管制度の劣悪な実態が明るみに出た。

本書は入管問題とたたかう弁護士・児玉晃一の協力を得て、「ブラックボックス」といわれる入管の生々しい実態について描いたルポルタージュだ。
信じ難い話だが、入管は警察官、検察官、裁判官、刑務官の役割・権限が集中し、外部からのチェックが働かない特殊な施設だ。

入管の鬼畜ぶり。
2001年当時、東京の入管施設の状況についてこんな証言もある。
「8人部屋に14人が詰め込まれ、トイレに行くにも人を跨がなければならない。
しかもトイレは部屋の中。 
腰高の仕切りしかなく、用便をすれば音もするし、悪臭もした。

運動は1日1回と決められていたが、運動場はなく日の光を浴びることもかなわない。
夏でもエアコンすらなかった。
自殺防止のために部屋の外に扇風機が置かれ、それが回ってるだけ。
シャワーは4日に1度でたった10分。
1分でも過ぎれば裸で外に出される。
それ以外は部屋に閉じ込められっぱなしだ 」。


職員の外国人に対する扱いは常軌を逸する

日本は敗戦後も旧植民地時代の朝鮮半島の人々を長崎の大村入管に収容した。 そしてその悪しき伝統はいまだに受け継がれ、連綿と続いている。

集英社インターナショナル発行。
長周新聞より抜粋