簡単に幸せになる方法
占いをしていると多くの人が悩みの相談に来るのですが、その悩みって大きく分けて2種類に分類されます。それは
幸せになりたい。
不満を無くしたい。
本当にざっくりとした分類ですが、この2つの内、どちらかを解消すると相談者の満足は高まっていきます。
この2つは実は明確にアプローチの仕方が違い、幸せは自分1人で完結して、満足度は他人の力が必要ということ。
そこについて今日は書いていきましょう。
満足なのに不幸せはあり得る
今からあげるのは特定の誰というわけでもないのですが、資産家に生まれた人間を想像してください。
代々続く富豪の家に生まれて、住んでいるのは田園調布か青山。世界中に何軒も家を持っているため、そもそもとして、自宅という概念がありません。
仕事も脈々と受け継いだ管理職。つまり見ていることが仕事というレベルで、実質的には働かないで生活ができています。
家に戻れば何人ものお手伝いがおり、身の回りの世話は全て行なってくれます。彼には妻がおり、お互い好きになり結婚。お相手も代々続く資産家で健全な経済観念を持ち、浪費などもなく、穏やかな人物です。
2人の子供に手がかかりますが、それは子供特有のわがままさなのでむしろ愛おしく感じています。
こんな絵にかいたような彼は傍から見れば満たされていますが、自分の不幸を感じていました。
それは「もっと普通の生活をしてみたかった」という感情です。
一辺貧乏になってみろ
と暴動が起きそうですが彼にとっては真剣な悩みです。
この例はあくまでも空想ですが、多かれ少なかれこのようなことを経験したことはないでしょうか?
外側から見たら、とても満たされているように見えることも、本人の感情では不幸を感じる。これはなぜ起こるのでしょう?
客観的データだけの話をすれば、日本人の多くは世界中の人に比べて「幸せ」と言っても過言ではありません。
安全レベルは世界一。少なくとも餓死することはありません。
それでも世界の幸福度を調べるときに日本はしたから数えた方が早い。
これは単純に「幸せと実感するハードル」が高すぎるんですね。
私は千葉で生まれ育ったため、実感しづらいことを承知の上でお話ししますが、私の地元では電車は15〜20分に1本「しか」来ません。
この事実であなたの住んでいる地域によって変わると思いますが、そんなんじゃ生活できないレベルと、1時間に1本しかこないレベルの人、両極端に分かれると思います。
東京、特に山手線やメトロなどに慣れている人にとっては、あと2分後にくる電車にも駆け込み乗車をすることが当たり前。そのせいで電車が遅れてもお構いなし。何度も扉が閉まらずに待っていると反対側にあとから来た京浜東北線が先に発車したりします。
普通に考えて中指を立てたくなる事案ですが、これが東京の電車事情です。
対して地元に戻ると駆け込み乗車はほぼありません。最低でも3分前。早い人なら10分以上前からホームにたどり着き、のんびりと電車を待っています。
だって乗り遅れたら20分待つんだもの。
駆け込み乗車で乗り遅れて待つくらいなら早め早めに駅につき、のんびりと待つことが常識。
ただ、これドアtoドア1時間で東京に着ける距離ですからね?
たった1時間の距離しか離れていないのにこれだけ価値観が違う。
しかも、どう考えても東京の方が乗り過ごした後のリスクが少ない。
それなのに、東京の方が、みんなギリギリ滑り込んでくる。
これがなぜなんだろうと考えると、人間は失うことの方が苦痛を感じる心理にたどり着きます。
つまり、電車に駆け込む人が感じるのは、乗れるかもしれない電車からこぼれ落ちる「損失」を回避しているんですね。
結果として、後から来た電車が先に発車しても関係ない。
だって自分は今の電車に乗っているのだから。
実は、自分の感情を優先して損を回避する行動をすると、人間は不幸になりやすくなります。
宝くじによる勘違い
感情で損を回避しようとする例として宝くじの話をしましょう。
あなたは宝くじで大金持ちになることを夢見ています。
いつもくじを買う場所は決めており、発売されるたびにその売り場で購入、売り子の人にも顔を覚えてもらうまでになりました。
しかし、あなたは今回発売日に外せない用事があり、買いそびれてしまいます。
買いそびれたくじの当選発表の日ののち、再びくじを買いに行くと、デカデカと「一等当選」の文字が。
売り子の人に話を聞くと自分が買いそびれた時のくじで2億の当選くじが出たという話。
これを聞いたあなたは「その時買っていれば当たったかもしれない、損をした」と思うかもしれません。
果たしてこの場合損をしているのでしょうか?
答えはNO。
だってそもそもあなたのものではないから。
これは確かに、買っていれば当たったかも知れません。そして仮に、一等当選して引き換え期間を過ぎてしまい失効したのであれば、損でしょう。
しかし今回たまたま買いそびれた時に当選が出ただけ。
もしその回で当選が出なかった場合、むしろ当たらなかったくじを買わずに得をしたとも言えます。
しかし、そのことを得をしたと思うことはないでしょう。
その会場で当たらないことが当然だから。
人間は損を回避することに敏感です。しかし、自分が得をしている時にはその恩恵には気付かない。失ってみて初めて気付くものが大切な人だったりします。
そう考えると幸せの正体ってなんだか曖昧なのですが、
自分って幸せなんだと気付くかどうかだったりします。
そして多くの人が幸せになれないのは、幸せの定義が自分で見つけたものではなく、他人から植え付けられたものだからなんですね。
この時世で自殺が20%減ったことはご存知でしょうか?
緊急事態宣言で経済活動をストップせざるを得なくなったため、経済的にはどう考えても不幸のはず。
それにもかかわらず、不幸の象徴とされる自殺が減っている。
これって、無理やり嵌め込まれていた「幸せの定義」が覆ったせいでもあると思っています。
会社に通わなくてはいけない。しっかりと働かないといけない。そういった価値を見直さざるを得ない状況になった時に、今までの生活が不幸と気付く人が増えたんですね。
じゃあこのままでいいかといってそういうわけじゃないんですが。
ここでやはり考える問題は、幸せって物質ではないという事実。
幸せってお金じゃないという事実。
今回のことで多くの人が実感したことはお金は幸せになるために使う道具でしかないということ。
褒められたことではありませんが、マスクなどの転売であれほど高い商品が売れていたのも、安心を買うため。
人は安心のために大枚を払うわけですね。
この記事のタイトルは「幸せになる方法」ですが、これを安心に置き換えてもいいでしょう。
究極の話、この記事を見る時にあなたは何を考えていましたか?
自分が不幸と思いながら
この記事を読めば幸せになれると思っていたら
正直危険信号と思ってください。
幸せになりたいと思っているうちは幸せになれません。
だって、そこに具体性がないから。
「○○になりたい」ならまだわかる。
「幸せ」という曖昧なものを求めているうちは、人の力を借りた方がいいでしょう。
「幸せ」とは「自分の持っているものに気付き活かすこと」
活かし方かわからなければ、人から指摘してもらいましょう。
まずは、あなたも持っているもの、特徴を他人に聞くところから。
今回はこの辺りで。
皆様の青い鳥が見つかりますように。
ざくろ
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長峰永地の哲学note
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