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人が安心する話し方

人間は理解できるものを求める

占い師だけでなく会話をしていて安心する話し方をしていると周囲には人が集まる。
その中でどのような話し方が人に安心感を与えられるのか書かれている書物は少ない。

まず第一の安心としてはその人が理解できる話をしているのかという点である。
勉強という新しいことを知ろうというスタンスでない限り人が聞いていてリラックスするのは自分の常識の範囲に収まっている話だし、その上で自分の好きな話であれば言うことがないのだ。

つまり人に安心感を与えたい場合、相手がわかっている話題を振ることが望ましい。

だがこれはあくまでも話題のチョイスという点で「話し方」というには少々苦しく感じる。
私は話し方と名乗るのであれば、その方法はあくまでも技術であるべきと考えている。
私は三味線を弾くが、その楽器でどんな曲を演奏するのかは好みだ。
三味線で有名な曲を弾くか、それとも好きな曲を弾くのかは完全に好みで、この好みが合っているからすごい演奏、上手な演奏と言われるわけではない。

例えば津軽民謡を弾いてその演奏が上手いか下手かわかるのは技術だ。
わからない曲でも、上手い技術はわかる。

それならば、話し方が上手な人にも話題の豊富さではなく、技術としての指針、トレーニングが有って然るべきなのだ。

今回の記事は「話し方の技術」記事だ。
特定の話題だから良いというものでも、先天性の才能に左右されることもない。
習得自体は、誰でも可能である。

ここで何故多くの人が話し方が上達しないのかを先に書いておこう。

話し方の勉強をしたことがないから

まず一番の理由は話し方の勉強をしたことが無いからである。

これは日常的に使っているために自分はちゃんと話せていると思う人がほとんどだと思う。

これを別の分野に置き換えてみよう。
あなたはちゃんと走れるだろうか?

この質問に詰まった人はカンがいいだろう。
走るという行為はほとんどの人が出来ることだろう。
だが「ちゃんと」という枕が付いたらどうだろうか?
それは短距離なのか長距離なのか、記録を作るためか移動のためか。
あらゆる条件で想定した時「ちゃんとした走り方」を学んだ人が激減することはわかるだろう。

これは話し方にも言えることで、今あなたがしている話し方の基盤はどこにあるのか知っているだろうか。
それは幼少期に多く聞いた話し方を真似ているのだ。

これは幼児の時にはあらゆる言語を話す可能性を持っているというデータがある。
しかし日常的に聞く言葉、使う話し方に脳が効率化することで話せる言葉が固定されていくのだが、それは話し方にも起こっていく。

つまり話し方が育ててくれた人に似ているのは何も遺伝ではなく、その話し方を普段から聞いているからそのように話すようになったということだ。
つまり言葉の耳コピを行なっているのだ。

話し方が遺伝子由来でない証拠として、ネイティブのように母国語以外を扱う人間の存在があげられる。
また日本で育ったハーフの人が日本語しか話せない人もいるだろう。
もし話し方、語学センスが遺伝子由来であるならばハーフの人はバイリンガルになっていなければ説明が付かない。

脳の構造で話し方が変わる

脳というものは成長を続ける器官だ。
新しい刺激を与えると年齢がいくつであっても成長する。

この会話も辿ってしまえば脳の作用でどのような刺激を声帯に与えて、音を膨らませて表に出すかを選択しているに過ぎない。
脳の繋がり方を回路というが、この会話回路を増やすことは筋トレと同じである。
今まで楽な話し方で固定されてしまっている回路を増やす、そのことがすぐに繋がっていくわけがなく、1日2日で新たに繋がるわけがない。
そのため話し方を鍛えるのであれば筋トレと同じくらいの期間が必要と初めにお伝えしたい。

話し方は総合スキル

話し方を勉強していただくために前もってお伝えしなければならないことがある。

それは話し方を鍛えるということはひとつの技術ではなく複数の技術の組み合わせであるということである。

話し方の技術においては聞く技術がある前提だし、先の例でも挙げた相手のわかっている話題を振るということも相手の好みを知っている、質問することが出来る、理解することが出来る、話題の引き出しの中に入っているなど事前準備があって初めて成立することである。

話の技術は聞く技術がある前提で使えるものであるが、今回の記事では聞き方はあくまでも枝葉の部分しか言及はしない。

あくまでも人の話が聞ける人がどのようにしたら安心感を与えることのできるかという観点でのみ話を進めていく。

もし聞き方に興味がわいた人はこちらの記事も合わせてごらんいただきたい。

前置きが長くなったがここからがいよいよ安心を与える話し方。

あなたの話し方が人を癒すことを願っている。

長峰永地

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