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wedding ring story

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新郎新婦と指環のストーリー。
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2024年2月の記事一覧

meeting for wedding rings at HATOBA

今回の個展では在廊中に結婚指環の打ち合わせも行いました。関東にお住まいでなかなか石川まで行けないお客様も、どんな感じなのか素材などのサンプルを実際に見てみたい、とご相談があったので在廊しているタイミングでやりましょう、ということに。HATOBAさんにも事前にお伝えしていたので、打ち合わせ用にテーブル席も快くセティングしてくださいました。 バタバタするか不安でしたが、作品をご覧になっているお客さまも穏やかにあたたかく見守ってくださり、HATOBAのスタッフの皆さんの細やかな心

meeting of the wedding ring

春はどこから、どんな顔をして現れる?小鳥たちのさざめきに耳を澄まして、春を探したくなるような明るく穏やかな日。雪もすっかり溶けた地面をじっと探すとフキノトウを発見。長い眠りから目を覚まし、ひょっこり顔をのぞかせて外の様子を伺っているよう。そんな春の兆しが色濃くなった先日、心和む足取りでお越しいただいた新郎新婦。 5月に出産を控えた新婦の手を取り、支えるように寄り添う新郎。ほのぼのとあたたかな空気感に包まれる中、指環作りのお話を進める時間となりました。指環をはめた時のいろいろ

wedding ring "beacon"

「この子と結婚することになったらここで指環を作ってもらおうと思って」 打ち合わせの時、新郎の告白のような言葉に、「そうやったんや」と嬉しそうに驚きを見せる新婦。それから彼女の誕生日に指環作りのことを話し、結婚への道すじを立てたのだそう。 そんなおふたりのご結婚指環は、幅もゆったりとぽってりとしたカタチに鎚目を施し、色かえの素材、バランスをそれぞれ好きなように選びました。新郎は、18金のイエローゴールドにプラチナを1/4だけ部分的に組み合わせ、内側にはブルーダイヤを。新婦は

meeting of the wedding ring

「泥を触ることがあっても大丈夫ですか」 手をすり合わせるような仕草でそう話す新婦に、農業や陶芸をされているのかなと思いきや、かえってきた答えは土木。道路作りに携わっているというから作るといってもスケールが大きい。しかも新郎もたまたま同じ職種で、ふたり揃って道路づくりのエキスパートとはまたビックリです。 いまは地震の影響が色濃く、まさに道路は最重要課題なので大車輪の大忙しさ。そんな合間をぬってご結婚指環の打ち合わせにお越しいただきました。元日の地震の時は、ふたりで能登のご実

meeting of the wedding ring

久しぶりに柔らかな晴れ間が広がったこの日、ご結婚指環の打ち合わせにお越しいただいた新郎新婦。風にはまだ、身の引き締まるような冷たさが残るものの、降りそそぐ陽光の彩度やぬくもりには、春がすぐ隣にいるようで心が和みます。待ち焦がれた春を喜ぶように、嬉しそうに笑い合うおふたりが、ほがらかな時間を演出し、福も一緒に運んでくれたよう。 「優柔不断で決められなくて」と言いつつも、いくつかのサンプルを見ながら「これが好きだな」と、自分たちの好み、大切にしたいことをしっかりと確認でき、指環