見出し画像

検証結果レビュー!入眠プレイリスト「sasayaki lullaby」で寝つきも、目覚めも良くなったってよ‐「音楽×睡眠」の可能性について-(ZAKONE PROJECT NOTES #4 )

私たちZAKONE(ザコネ)は、睡眠業界を盛り上げるために生まれた、企業や個人を繋ぐコミュニティです。こんにちは!ライターの山下です。

今回取り上げるのは「音楽×睡眠」の話題です。ソニー・ミュージックジャパンインターナショナルとKonel(クリエイター/アーティスト集団)で展開している、入眠プレイリスト「sasayaki lullaby」で面白い検証が行われたので早速レビューしたいと思います。

執筆にあたっては、知財図鑑主催のPodCast番組「未来のラジオ」の収録現場にお邪魔し、企画発案者でクリエイティブプロデューサーの大多さん、ブレインスリープの松井さん、NTT東日本の尾形によるインタビュー模様を見学しました。

本記事ではそこで聞けた「sasayaki lullaby」の概要とプロジェクト発足の経緯、そして検証結果を紹介したいと思います。

左からクリエイティブプロデューサー 大多さん、Konel 出村さん、NTT東日本 尾形、
ブレインスリープ 松井さん

「sasayaki lullaby」とは?

sasayaki lullabyは、ソニー・ミュージックジャパンインターナショナルとKonelが、2022年3月18日(「世界睡眠の日」)に開設した“おやすみ前専用の入眠プレイリスト"です。

イギリスのボイーズバンドとして世界的に活躍したワン・ダイレクションのヒット曲(「ホワット・メイクス・ユー・ビューティフル 」)や、バックストリート・ボーイズの大ヒット曲「アイ・ウォント・イット・ザット・ウェイ」等を含む5曲を、ささやき声によるリアレンジカバーし、収録されています


ささやき声のアイディアは、”子供の寝かしつけ”と”ミルクボーイ”がきっかけ!?

sasayaki lullabyは、企画発案者の大多さんのお子さんの寝かしつけが原体験だそうです。

大多さんが子どもを寝かしつける時、ささやき声で子守唄を歌ってみたら、お子さんと一緒にご自身も眠りに落ちた経験から「ささやき声の子守唄は大人でもきくかもなぁ」と日頃から感じていたとのこと。

その経験から”ささやき声”に興味を持った大多さんはリサーチしてく中で、お笑いコンビ ミルクボーイの「おやすみミルクボーイ」にたどりつき、さらにささやき声での漫才を視聴したら眠れたことから「ささやき声は大人にも有効」という思いが確信へ変わったそうです。

そこからソニーミュージックとKonelに「大人向けの子守唄を作ったら面白いのではないか」とアイディアを伝え、両社興味を持ったことで、このプロジェクトが始まったのだとか。


検証概要:「sasayaki lullaby」は睡眠にどんな影響を与えるのか?

検証は「sasayaki lullabyが睡眠にどう寄与するのか」の観点で、下記2段階で実施されたそうです。

STEP1「sasayaki lullaby」を聴くことで、リラックスしたか?
STEP2「sasayaki lullaby」を就寝前に聴くことで、睡眠にどんな影響があるのか?

各検証の概要

STEP1では、被験者10名※1 を対象に、日中「sasayaki lullaby」を視聴。アンケートと心電図を用いて主観/客観両方を評価項目として、「音楽を聴く/聴かない」で自律神経に与える影響を検証。

STEP2では、10日間かけて行なわれ、被験者15名※2 を8名/7名と2グループに分け、各グループ、「音楽あり/なし」を、3日間の休止を挟み、それぞれ3日間かけて測定。被験者のアンケートと活動量計から「sasayaki lullaby」が与える睡眠の質の変化を調査したそうです。

 ※1 STEP1では寝つきの良し悪しに関わらず10名、STEP2では「寝つきが良い」と事前アンケートで回答した被験者は除外
 ※2 被験者はSTEP1から継続6名、STEP2から追加で9名の計15名

STEP2 検証スケジュール

結果:実際「sasayaki lullaby」によって寝つきも目覚めも良くなった!?

結論、STEP1全体で見た時は統計上の有意差は見られなかったものの、曲ごとのデータなど、さまざまな方法で特徴を解析した際には、被験者が知らない曲の場合は副交感神経が優位(リラックスした状態)の可能性があり、また、交感神経が活発な時に本検証の音楽を聴取すると、交感神経の活動が抑制される可能性が示唆されたようです。

STEP1「『sasayaki lullaby』を聴くことでリラックスしたか?」の検証結果

またSTEP2の結果では、被験者の実感は確認できなかったのですが、客観的データでは音楽なし群と比較して、音楽あり群は睡眠潜時(寝つき)・睡眠効率が有意に改善し、中途覚醒回数(睡眠中の覚醒回数)・離床潜時(目覚め)も改善する傾向にあったとのことです。

STEP2「『sasayaki lullaby』就寝前に聴くことで睡眠にどんな影響があるのか?」の検証結果

この結果に対し、本検証の設計を行ったブレインスリープ松井さんは「一般的に音楽(歌)を聴くと体が反応してしまうため寝つきが悪くなると言われているが、ささやき声の場合だと睡眠効率が良くなったことは興味深い」とのことでした。 


「sasayaki lullaby」の今後

今回の検証を受けて、企画者の大多さんは「『sasayaki lullaby』では洋楽をメインに扱ったが、日本の曲もチャレンジしていきたい。アレンジにおいても弦楽器や金管楽器でもトライしてみたい。今回のプロジェクトを通じて睡眠と音楽の可能性が拡がればいい」とコメントされておりました。



「音楽×睡眠」に関する検証レビュー、いかがでしたでしょうか!音楽と睡眠まだまだ可能性がいっぱいです。本記事執筆中、ずっと「sasayaki lullaby」をリピートしておりましたが、作業用としてもオススメです!皆様もぜひご活用してみてください!


余談

最後に「sasayaki lullaby」を聴いても、どうしても寝れない日もあると思います。私はそんな夜はこの曲を聴いて、あえて自分の状況を再認識、眠れるのを待ってます!


執筆 ZAKONE編集部  山下航

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?