20211223

まだ早いのでもう少し眠れそうだと思い、再び目を閉じたら、リビングで目覚ましが鳴った。
一郎は、(自らセットしたのだが)迷惑なことだと思った。
布団から出て、目覚ましを止めた。
手が滑って、目覚ましはカラーボックスから床に落下し、衝撃で電池を入れる場所の蓋が外れた。
蓋は時計本体の近くにあるが、電池はあたりに見当たらない。
探すことになった。
眠りを妨害された気分になりながら、カーテンの下にある電池を発見した。
途中、諦めて近くにあった単三電池を入れようとしたら、大きすぎて入らなかった。
しかし、カーテン下から出てきた電池もまた単三で、どうやら入れ方が悪いようだった。
まず右のほうに押し込み、先の方まで入ってから左側をはめた。
蓋もしめた。
時計は動かない。
逆に入れてしまったらしく、今度は取り出せないという問題に直面した。
一郎は、時計を持って寝室に戻り、敷布団に時計を、二三度叩きつけた。
電池が取り出せた。
先ほどとは逆の向きにして電池をセットした。
時計が動き出した。
スマホを見て、時刻を合わせた。
これまで数分進んでいた時計は、ぴったりの時を刻むようになる。

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