#194 産業用ロボット(2017/11/14)


少子高齢化、生産年齢人口の減少が進展する中、様々な分野で、人手不足の解消、過重な労働からの解放、生産性の向上などの社会課題を解決する可能性があると言われているロボット技術。その中でも日本が強さを誇ってきた産業用ロボットについて、今日はざっくりします。

2015年の世界のロボット需要は111億ドル(1.25兆円)で前年比3.7%増となっています。日本のロボット需要は2010億円。世界需要のざっくり16%にあたります。

・世界のロボット需要 ざっくり1.3兆円
・日本のロボット需要 ざっくり2000億円(世界の16%)

個人的にはもっと大きい市場なのかと思ったのですが、それほどでもないようですね。

稼動状態にある産業用ロボットの台数*を見てみると世界で1,631,650台。

・世界のロボット台数 ざっくり160万台

国別に見るとTOP5は
1.日本   28.7万台(17.6%)
2.中国   25.6万台(15.7%)
3.アメリカ 23.4万台(14.4%)
4.韓国   21.0万台(12.9%)
5.ドイツ  18.2万台(11.2%)

となっています。日本がトップですが、かなり拮抗してきています。

ちなみに日本のシェアの推移を見てみると
1985年 67.3%
1990年 60.9%
1995年 64.1%
2000年 51.9%
2005年 42.7%
2010年 29.1%
2015年 17.6%
2000年までは世界で稼働する産業用ロボットの半分以上が日本にあったんですね。ここ15年余りで世界が急速にキャッチアップしてきたということになります。

成長著しい中国は2000年時点では930台しかなかったので15年ほどで275倍ほど、またお隣韓国は5.5倍になっている一方で、日本は2000年時点で389,442台だったのでおよそ3割減ったことになります。

稼働台数の増加(2000年→2015年)
・中国 ざっくり 280倍
・韓国 ざっくり 5.5倍
・日本 ざっくり 30%減

日本企業の海外生産が進んだことが影響していそうですね。

世界の産業用ロボット大手といえば、ABB(スイス)、ファナック(日本)、安川電機(日本)、Kuka(ドイツ/中国)なのですが、2014年の出荷台数を見てみると

ファナック 26,000
ABB    22,000
安川    21,000
Kuka    20,500

となっていて大変拮抗しています。Kukaはドイツで設立されたメーカーで現在も本社はドイツにありますが、2016年に中国のMidea Group(美的集団)に買収されています。ここでも中国の勢いを感じますね。

* 3自由度以上のプログラム可能なロボット(マニピュレーティングロボット)の台数です。

Source:
日本ロボット工業会 世界の産業用ロボット稼動台数
http://www.jara.jp/data/dl/stock-of-robot-2015.pdf
みずほ銀行 日本産業の中期見通し(ロボット)
https://www.mizuhobank.co.jp/corporate/bizinfo/industry/sangyou/pdf/1056_12.pdf
ROBOTENOMICS
https://robotenomics.com/tag/industrial-robot/

#今日のざっくり
#産業用ロボット

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