無施肥栽培色々

下記note記事を読んで書きたくなったので書いてみる。

引用部分は『』で括る。
不耕起栽培・無施肥栽培って成功している方を見ると方法が色々で上記の記事とはまるで矛盾している成功者も少なくない。
『耕すことの効用について書きました。

残渣は埋めなくていいし、根っこも残したままでちょっと場所をずらして植え付ける
ここは難しいところです。残渣はマルチの補充になるので問題ありません。課題は作業効率です。種を撒いたり苗を植えるにもマルチを一旦除けて、前作の根っこも避けてとなると家庭菜園レベルなら楽勝ですが、営農レベルに畑が大きくなったりすると段々手に負えなくなっていく気がします。』
自然農提唱者の川口由一氏はそれを行う事で兼業せざるを得なかった状況を変えて専業農家になれたそうです。というのは機械化に依る設備費用負担が非常に大きいため、農業機械を購入する為に出稼ぎを行っているという兼業農家が多いそうです。農地を相続すれば同調圧力が強く農地を荒れさせる事が難しい。仕方がなく農地を整える為には農業機械が必要だし購入する。しかし、その費用は非常に高額で常に農業収入では足りず働いて稼いだ報酬を農地の維持に使うという状況になる。(農地が非常に広い農家なら専業でやっていき易いが多くの小さい目農地を所有する大多数の農家には農業収入から農機費用を賄う事さえ難しい。農業機械の購入費用さえでてない状況で肥料や農薬も購入する必要があるのだし)
広大な農地を所有する大百姓には正しそうに感じますが、そうでない中小農地を所有する農家は専業農家として生活するには農機所有を止めて昔ながらの農機でできる範囲に留めた方が専業農家として生きていける確率は高まりそうに思います。

『このタイプの不耕起栽培は欠点も幾つかあります。
マルチの材料集め、または草刈りが面倒
河原で刈草などを集めてきますが、夏場などは分解も早いのでマルチの厚みを維持するのが大変な時があります。マルチが薄くなるとそこから表土が乾燥しますし、雑草なども生えてきます。私の家庭菜園などごく小さいのですが、これが今の三倍にもなれば私には十分なマルチが維持できないと思います。』
自然農ではある程度畑が豊かになれば畑に生える雑草や畑ででる残渣だけで、外部から持ち込む事無く行えるとされています。お書きになっている部分にいくつか疑問を感じています。マルチの厚みは維持しなければダメなのでしょうか。季節変動などありながら少しずつ増えて行けば良いのではないのかな。土壌微生物の種類はどうでしょう。一般的には分解能力が高い微生物が良さそうな印象を持たれている様に感じますが、そんな微生物は多くの餌を必要とします。分解力の高くない役立つ微生物が増えればマルチの減少は少なく済むでしょうから少ない有機物投入で維持できそうな気がします。
有機物を入れなければいけないという事自体にも疑問を感じます。日本三景松島の松は岩盤に根を張り土壌のない所で育っているそうですし、同様の松は他にもあるそうです。そして岩の中に菌根菌がいて共生しているそうです。有名な無施肥栽培農家の関野幸生氏の方法は有機物は全て畑外に持ち出す。耕転機で耕し透明ビニールマルチで地温上昇と抑草。種採りを行い無施肥で栽培。という方法で成功されています。畑土壌中には有機物がほぼなくなっている筈なのに微生物との共生は上手くできてそうな印象です。
岩盤に根をおろして元気に育っている木の様に。

『雑草共生型の不耕起栽培は私はやったことがないのですが、色々な話を聞くと草刈りがとにかく大変だそうです。』
雑草マルチを行いつつ雑草共生を行っている方もいらっしゃりますね。雑草マルチで抑草しつつ雑草共生する方法。作物のすぐしたに多く雑草を積めば作物への陽の光が確保し易いでしょうし。

『不耕起栽培への転換に少し時間が掛かる
不耕起とは言いながら最初の転換時だけは地面を深く掘って、ありったけの有機物を土に埋め込んでいくのですが、この埋め込んだ有機物が分解され豊かな生物相に反映されるまで数年かかります。そうはいっても2年くらいで何だか良くなってきた感触は出てくるのですが、時間が掛かることは間違いないです。
ちなみにその転換期間は化学肥料でしのぎます。マルチの上から施した即効性のある化学肥料でしのいで収量を確保しながら、微生物が有機物を分解し、土が豊かになっていくのを待ちます。』
西村和雄氏の提唱する「ものぐさ農法」では上から米糠や油粕をばらまいて草を増やさせたり刈り草を刈った場所に戻す時に補い施肥と刈り草の分解を促進するために少量の米糠や油粕を撒くなどして改善(畑を育てて行く)していきますね。補い施肥はどんどん少なくて済むように変わり必要なくなるそうです。方法は少し違いますが、同様な方法といえそうに思います。

『イモ類など収穫するのに地面を掘り起こす必要がある作物は向かない
これはどうしようもないです。』
ジャガイモの収穫を撮った動画が下記です(ジャガイモ収穫場面直前から再生が始まると思います)。

少し微妙ですが、引き抜くだけで収穫されている様に見えます。
岡田茂吉氏の方法を継承する団体が作成した動画で無施肥栽培で土が育っていく事を示す分析結果が取り上げられていた方だと思います。(下記埋め込み動画でその部分から再生がはじまると思います)

英国で自然農法されている日本人の方だと思うのですが、ご本人の話されている分析する事にしたいきさつなどが下記埋め込み動画で知れます。

同じ動画の中にオープンファーム(農園の見学会)でカボチャ栽培における見学者達との対話をお話になっている部分があります。芯止め方法とか見学者からの水やり回数や収量の質問に回答前に逆に見学者達に聞き見学者達の例と農園主の実情を話されています。(無施肥栽培でのこの方の収量には驚きました)

ジャガイモ畑の土壌分析結果の経年変化からも最初から良い畑という事ではなかった様なので、この方の自然農法で畑が育った結果なのでしょうね。

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