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【読書:微ネタバレ】白銀の墟玄の月は、意外とスッキリしない。けど、大いに心は揺さぶられた。

ほのかにネタバレを含んでいます。

何年かぶりの、十二国記の新刊だった。
新刊が出るときに4冊出ると聞いて、本当に長くなってきたなぁと思った。
10月に買った1巻2巻を読み進めているうちに、
ああ、6年前のあの日から今までのこと、と、これからの戴の2つのことを書かなければいけないから、それは4冊にも及ぶよなぁと思い至った。

先週の土曜日、3巻と4巻を本屋に買いに行った。
発売日に行わざわざ実店舗に本を買いに行くなんて久しぶりのことだった。
いそいそと先を気にしながら読み進めていく。

私は正頼が好きだったので、彼に言及する所で一番涙が出そうだった。
北方水滸伝の盧俊義と燕青を思い出したり(涙)
琅燦も好きだったから、彼女がどうなるのかもドキドキし、先を急ぎすぎて、今はまだよく分からない(苦笑)
阿選のキャラにもなぜかひかれていく。道を外したことが本当に残念になったり。

もう読み進めるしかなかった。

ドキドキ読み進めながら、だんだんページ数が減っていく。

…あれ? これ、ページ足りるの??

章が進むにつれて、あとこのページだけで最後まで終わるのかと不安になった。
もしかして5巻目があるんじゃないかなと。
(結果的には月の影 影の海みたいな感じの終わり方になった。)

もう結果が気になってしまい、細かいところは読み飛ばしているので、現時点で疑問はたくさんある。特に琅燦周り!
なんなの!

でも、もう一回読み直す幸せがあるのは素敵なことだ。
もしかしたら、あんまり細かいことは書いてないのかもしれない。

もう一回読み返したら感想は変わるかもしれないけど、4冊に及んだ割には、何年も新刊を待った割にはすっきりしない終わり方だ。
でも、このすっきりしなさが、書きたかったことなんだろうなぁとも思った。
すっきりしないのは、犠牲になった人がたくさんいたからだ。

多分、最後に去思が感じていた気持ちと今の私の読後感は似通っているんじゃないかなぁと思った。

すっきりするような読後感を求めていたけれども、戦うって事はそんな割り切れるものじゃないんだなぁって、じわじわと後からやってくる読み終わりでした。

この感じは既に知っている。

ホワイトハート時代の、風の万里 黎明の空のあとがきを最後に転載しておきます。

☆ ☆ ☆

今回、たくさんの人が死にました。「死んだ」と明記していない名もない人々も、行の隙間でバタバタと死んでます。あえて多くは書き込みませんでしたが、それはこれ以上登場人物が増えたり、エピソードが増えると、本の横幅より厚い本になりかねなかったからです。
本人達には人生の終焉という、一大事です。でも、主要登場人物じゃないから、死んだと明記されない。なんて、理不尽なんでしょうね。理不尽をわかっていながら物語の都合上、切り捨てないといけない。辛いところです。
ですからそこは読者の想像力におすがりしたい。すべての人間にとって、本人こそが主人公なのだと言うことを、ゆめゆめお忘れなく。本を閉じたあとにでも、ふっと思い出していただけると幸いです。

風の万里 黎明の空 あとがき より

☆ ☆ ☆

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