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クラブハウスに魅せられて 2.ロイヤルホスト

クラブハウスサンドが好きだ。
トーストされたクリスピーなパンに挟まれた塩気のあるベーコンとチキン、そしてフレッシュなレタスにトマト。
三位一体とはクラブハウスサンドを表現するために産まれた言葉ではないかと思う時すらある。
これは、そんなクラブハウスサンドを食べ歩く記録である。

前回、私の中でのクラブハウスサンドの基準であるデニーズを取り上げた。
私がファミレスの中でデニーズを推す理由は明快、クラブハウスサンドを取り扱っているからである。

しかし、私はちゃんと認識している。
大手ファミリーレストランチェーンの中で、クラブハウスサンドを取り扱う陣営は他にもある。

それが、ファミレス界の貴族・ロイヤルホストである。

他のファミレスチェーンとは一線を画す高級・高付加価値路線を往くチェーンである。ハイソサエティ・サンドイッチであるクラブハウスサンドもしっかり取り扱っている。さすがは業界3位の地位を確保するチェーンなだけのことはあると言わざるを得ない。

というわけで、その実力を確かめるためにロイヤルホストへと向かった。


やってきたのは都内某所のロイヤルホストである。

ロイヤルホストといえば、ビル内のテナントというよりも一戸建てのレストラン単体で営業している印象が強い。オレンジの看板に煉瓦屋根もブランドイメージを形成する大事な要素なのだろう。

店の側面には、彼が掲げられている。
それだけ代表するメニューであるということの証左といえよう。

思いっきり映り込んだので自主規制

早速店内へ。
開催中の「美味しい英国フェア」に心動かされるが、今回の主題はそれではない。
本来の目的を果たすためにページを捲る。

お目当ての品、「ハムとチキンのクラブハウスサンド」だ。

お値段968円。
デニーズのクラブハウスサンドが1,040円なので、クラブハウスサンドに関してはロイヤルホストのほうがお手頃ということになる。

手頃にいただけるのはありがたい。
早速注文をする。

ロイヤルホストといえば、過日話題になったのが、例によってジョブチューンである。
ロイヤルホストのロングセラー定番メニューであるパンケーキが、不合格となり、審査員のシェフの辛辣なコメントも相まって炎上騒ぎとなった一見だ。

審査対象となっていたのは従業員イチオシメニューTop10であったそうだ。
その中にクラブハウスサンドが入っていない。
従業員は何を考えているのか。
私の中で炎上した。

それはさておき、あのマリリンモンローが3日連続で食べたというオニオングラタンスープを飲みながら待つことしばし。

いよいよ主役がやってくる。

どこか上品さを感じるのはデニーズがビッグマックよろしくパン3枚構造なのに比べてスタンダードな2枚構造だからだろうか。
それとも慎ましやかなポテトの為せる技か。

そしてクラブハウスサンドには、ロイヤルホストが高価格帯ファミレスであることを感じさせるわかりやすいポイントが付いてくる。

ケチャップだけではなくマスタードまでついてくるのである。
しかも複数個。
付加価値がはっきりと現前している。

ポテトの量が、デニーズのそれと比較して慎ましやかなであることを鑑みるに、どう考えても使い切れそうにない。

でもそれで良いのだ。
いや、むしろそれが良い。
人は金欠に苦しむよりも、有り余る金の使い道に困る方を選びたい生き物なのである。

「衣食足りて礼節を知る」という言葉のとおり、余裕は人を穏やかにする。
パンがなければケーキを食べれば良いのだ。

さて、本題であるクラブハウスサンドに話を移そう。

まずは一口。
悪くない。

トマトのジューシーさがまず印象に残る。
デニーズでは偶にただの板かのようなベーコンもしっかりと存在感を放っている。

他方、チキンは厚みこそあるものの、若干のパサツキを感じることがもったいない。
また、パンに関しては厚みがデニーズのそれと比べて薄く感じる。少なくともクリスピー感はデニーズの後塵を拝していると言わざるを得ないだろう。

ロイヤルホストのクラブハウスサンドがもつ特徴としては、ハムの存在だ。

チキンと隣り合うように厚切りのハムが入っている。
これはデニーズが持たない武器である。

しかしながら個人的にはハムとチキンと水気の薄い肉が2つ並んでいることで、パサツキ感が増長されるような印象を受け、だったらベーコンが厚い方が良いのではないか?と感じてしまった。

でもロイヤルホストのクラブハウスサンドには、トマトとベーコンの他にも評価の高い点がある。

それは、先程サンドイッチにほぼ埋められるようにひっそりと佇んでいたアレだ。

ほぼ埋まっている紅白のアレ

まるで選ばれし者以外に抜かれることを拒むかのように地中深くに埋るピックは、剣のフォルムをしている。
それだけならばデニーズと同じであるが、
更に柄がロイヤルホストのロゴになっているところがポイントが高い。

遊び心とブランディングを両立させた、マーケティングの妙と言えるだろう。


価格がデニーズよりも安価である点は考慮しなければならないが、総合的に勘案した際、個人的にはデニーズのクラブハウスサンドに軍配を挙げるだろう。
しかしそれでも、ロイヤルホストを訪れた際には手軽に満足感を得られる一品としておすすめできる。

こうして、私はまたクラブハウスサンドの1つに征服の証を刻んだのであった。


今後も征服の旅は、続くかもしれないし続かないかもしれない。



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