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過剰な自社自慢はカップルの惚気話と同じく鬱陶しい

自分の友人や知人にパートナーができたとします。付き合い立ての彼/彼女らが惚気話をした場合、最初は微笑ましいかもしれませんが、過剰になると、だんだん鬱陶しいと感じ始めるはずです。その理由は、彼/彼女らはパートナーを大好きかもしれませんが、我々はパートナーをそこまで好きではないため、惚気話にあまり共感できないからです。

企業の採用でも同じことが言えます。カジュアル面談や面接、SNSなどでよく「自社のここが好き」「ここが魅力的」と自社を自慢したり、セールスポイントをアピールする人を見かけます。もちろん、社員が楽しそうでない会社に行きたいと思う人は少ないですし、候補者に魅力付けをするために自社自慢自体は良いのですが、過剰な自社自慢は逆に候補者に鬱陶しいと思われるのではないでしょうか。

特にカジュアル面談や一次面接などの選考初期フェーズでは、社員は会社を大好きでも、候補者は会社をそこまで好きではない(そもそもよく知らない)ことがほとんどだと思います。会社愛に温度差があるこの状況で自社アピールをしても、候補者としては共感しづらいですし、「鬱陶しい」「会社愛が押し付けがましい」と感じてしまうでしょう。

私見ですが、鬱陶しいと思われないように自社のアピールをするポイントは2つあると思います。

①社内と社外のトピックをバランスよく発信する

企業が自社をアピールする場合、

  • 社外を巻きこむトピック(資金調達、導入事例、業務提携、新機能リリースなど)

  • 社内で完結するトピック(キックオフ、社内イベント、新入社員、MVPなど)

大きくこの2つの方向性があります。この2つに優劣は無く、採用広報をする上ではどちらも大事なのですが、社内トピックの発信が過剰になると候補者が鬱陶しさを感じやすくなるように思います。後者は言ってしまえば「内輪ネタ」であり、その会社のことがそこまで好きではない人間にとっては共感や盛り上がれるポイントが無いからです。カップルが自分たちしか分からない「内輪ネタ」で盛り上がり始めたら、こちらは逆に冷めてしまうのと同じですね。

②客観と主観をバランスよく発信する

企業が自社をアピールする場合、前述の社外・社内とは別の切り口で、

  • 客観的なアピールポイント(導入社数◯◯、導入効果◯◯倍、社員の継続率◯◯%など)

  • 主観的なアピールポイント(「熱量持って働く」「毎日が楽しい」「文化祭みたい」など)

があります。後者は人間の感情に訴えかける分、同じカルチャーや空間を共有する社内では盛り上がりやすいのですが、社外からすると「内輪ネタ」に感じやすいです。主観的な表現は人によって解釈の幅があるため、発信側が想定したよりも「熱さ」「楽しさ」が候補者に伝わりづらいのも一因です(私見ですが、ブラック企業ほど業績が悪くて前者をアピールできないため、後者を過剰にアピールする傾向にある気がします)。

補足しますが、社内トピックや主観をゼロにしろということではありません。それらも重要ですが、「内輪ネタ」が過剰になりすぎないように、社外トピックや客観的なアピールポイントなど、社外に伝わりやすいポイントもしっかりアピールすべきということですね。


私の採用の仕事については下記の記事をご覧ください。

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