見出し画像

「クライアントと社内の板挟み」問題の解決方法

クライアントワークでクライアントと社内の意見が衝突してフロント担当(営業やディレクターなど)が板挟みになることがあります。例えば、クライアントから実装途中でデザインを変更してほしい(追加料金は出せない)と頼まれ、社内からは追加料金を貰うべきと指摘されたなどです。

多くのフロント担当は「クライアントと社内どちらを優先するか?」と考えがちですが、この二択はクライアント・社内いずれかに無理強いをすることが多く、いつかは関係が破綻します。最も多いのがクライアントの無茶振りを受け続けて社内が疲弊するパターンですが、社内を優先しすぎてクライアントの要望を断り続けるのも売上や信頼を失う恐れがあるので得策ではないでしょう。

クライアントも社内もWin-Winになるためのポイントは2点です。

①グラデーション思考

これは「0か100思考」「白黒思考」の対義語であり、物事を二択で考えるのではなく、その間にあるグラデーションの選択肢を捉えるものです。

例えば、前述のデザイン変更の例を考えます。

  • クライアント:追加料金を出せない

  • 社内:追加料金30万円を出すべき

0か100思考だと「0円」「30万円」の二択であり、これ以上交渉の余地がありませんが、この二択の間には「10万円」「20万円」など様々な選択肢があります。「追加料金が最低いくらなら社内が納得するのか?」「最大いくらならクライアント社内で交渉できるのか?」と考えると、「15万円貰えれば、他と調整して黒字にできる」「クライアントは20万円まで担当者レベルで決裁できる」と落としどころが見えてきます。

別の例で、社内ルールでLPのデザイン修正は通常1回のみ(工数が増えるため)なのに、クライアントが2回修正にしてほしい(1回でデザインが完成するか不安)と頼んできたとします。回数だけ見ると「1回」「2回」でグラデーションが無さそうですが、デザインの修正範囲には「全体トンマナ」「メインビジュアル」「写真」とグラデーションがあります。「1回目はトンマナ含めた全体的な修正で、2回目は写真やテキストのみ修正」などと考えると、工数の肥大化を防ぎたい社内の意向、デザインの完成度を上げたいクライアントの意向どちらも満たせるでしょう。

②三方一両損

ここまで聞いて「クライアントと社内の要望どちらも満たしきれていないのでは?」と感じるかもしれませんが、クライアントと社内のWin-Winとは、クライアント100点でも社内100点でもなく双方80点を目指すことです。双方が最大の利益を得られず、板挟みの1人は損をするという意味で、古典落語の「三方一両損」に似ています。

私の経験則ですが、人と話すことが好きとか、クライアントに寄り添いたいフロント担当ほどクライアント100点を目指したがりますが、それを目指すと皺寄せが社内に行きます。三方一両損とは完璧主義をやめるという意味でもあります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?