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「戦略」という定義が曖昧な言葉を使うのをやめよう

「戦略」とは、本来は戦争の用語ですが、今ではビジネスの用語にもなっています。この言葉は、例えば以下のような文脈で使われます。

  • 今期の予算達成のための戦略を決めましょう

  • うちの会社には戦略が無い

  • クライアントの営業戦略策定を支援しています

さて、この「戦略」という言葉、「定義を説明してください」といわれたらあなたは答えられるでしょうか?

  • 目指す方向性(ミッション、ビジョンなど)

  • 定量的な目標(KPIなど)

  • 目標を達成するための施策

  • 施策を実施するために各自がやるべきタスク

パッと思いつくだけでもこれだけの定義があります。どれが正解というわけではありません。重要なのは、「戦略」の定義は人によってバラバラだということです。

例えば、Aさんの会社では「目標を達成するための施策」は決まっていますが、「各自がやるべきタスク」が決まっていません。この状態をAさんは「うちの会社には戦略が無い」と危惧し、上司に打診するのですが、上司は「戦略ならあるじゃないか」と返答します。これは、

  • Aさんの「戦略」の定義=各自がやるべきタスク

  • 上司の「戦略」の定義=目標を達成するための施策

と、各自の「戦略」の定義がずれていることによるすれ違いです。

厄介なのは、「戦略」は昔から使われている言葉なだけに、人それぞれ独自のイメージや考えを持っており、「戦略の定義を○○にしましょう」といっても「いや、それは私のイメージだと戦略ではない」という反対意見が出や
すいことです。本来は「戦略の中身」を議論すべきなのに、「戦略の定義」という不毛な論争が始まってしまうのですね。

おすすめなのは、「戦略」を別の言葉で表現することです。

  • 今期の定量目標を決めましょう

  • 施策を実施する上でのやるタスク、やらないタスクを話しあうのが会議の目的です

  • クライアントの目指す方向性に基づき、目標設定や施策の設計などを支援します

のような具体的な言葉にすることで、「戦略の定義」論争を避けることができます。ぜひお試しください。


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