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他人の仕事の尻拭いをしすぎない

アルコール依存症の患者が失敗を犯したとき、家族は決して尻拭いしてはいけないそうです。それをすると、患者が「自分が失敗しても家族が助けてくれる」「何とかなる」と認識してしまい、いつまでも依存症が改善しないからです。依存症とは患者本人だけでなく、それを助長する周囲にも原因があるということですね(こういう助長行為をイネイブリングと呼びます)。

仕事でも、誰かの失敗を尻拭いしなくてはならない場面があります。特に取引先が絡む場合、先方に迷惑をかけられないからと先輩や上司が尻拭いにあたるのですが、これをやりすぎると本人がいつまでも成長しません。最初の指導は仕方ありませんが、失敗を何度も繰り返す場合は尻拭いせずに突き放すことも大切です。

私が昔広告代理店で働いていたとき、よく同じ案件で働いた営業の同僚がいました。彼は人間としては良い奴なのですが、ヒアリングとか制作進行とか営業としての顧客折衝業務がまともにできない人間であり、彼の指示通りに進めると案件が完了しないため、私が代わりにクライアントにヒアリングしたり、制作進行を巻き取っていました。今思えばこれも尻拭いであり、彼が成長しない原因を私が作っていたことは否めません。

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