対南京虫戦
いつのまにか、そう、いつのまにかボクの部屋は南京虫の牙城と化してしまった。
彼らは夜行性なので、夜になるとぞろぞろ出てくる。コロコロで貼り付けて、フローリングの床を転がしてプチプチと殺す。1回100匹くらいは捕るだろうか。それを夜中中10回くらい繰り返す。およそ1000匹だ。それでも翌日にはまだまだ出てくる。おそろしい生命力と繁殖力だ。
彼らは、全長5mm以下で薄い体形なので、引き出しの中に入り込み卵を産んで生きている。夜中部屋で寝たら体の血を吸われる。以前貧血ぎみになった時など「南京虫に血を吸われてるからでしょうか」と医師に相談したくらいだ。
彼らは血を吸うと体が膨れるように大きくなる。そして長生きして卵を産むのだ。彼らは、何も食べなくても2週間ほど生きるらしい。強敵だ。
しかし、いくらボクが夜勤慣れしているからといって、休みの日に毎晩南京虫と格闘しているわけにもいかない。しかもいつ終わるとも知れない闘いだ。
煙タイプや霧タイプの虫取りも試した。ぜんぜん効き目がない。それどころか、興奮させて元気になっているようだった。
たまらず、ネットで「南京虫駆除」で検索をして、「バルサンまちぶせスプレー」という物を注文した。3本セットだ。缶には南京虫の別名トコジラミにも効くと書いてある。さっそく、部屋とキッチンとユニットバスに散布した。引き出しの中にも撒いた。1回でスプレー缶1本使った。
これは効いたようだ。だが絶滅までには至らなかった。たぶん卵には薬剤が効かず、そこから生まれた子が出てくるのだと思う。一晩に10匹や20匹は捕っている。
それでも平和な夜が来たのだと思うしかあるまい。残り2本のスプレーがあるから、絶滅に向けてがんばるしかない。
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