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39. 借金と資金調達

 
「借金は悪」である
 
借金は悪であるという決めつけは、若者の起業精神やチャレンジ精神、言い換えれば、「ひと・もの・かねへの投資」という資本主義の核となる大切な要素を欠落させる結果に繋がりかねません。
 
借りたお金を、浪費や消費に使った場合、それは借金と呼ばれます。
ところが、借りたお金で事業を営んだり、土地を購入したり、次の収益を生み出す使い方をすればそのお金は資金調達と呼ばれます。
 
同じ借入でも、その借入の先にある結果によって、経営や家計に悪いものと良いものに分かれます。
 

 年末近くになると、「ボーナスの財源はありますか?短期融資いたします」というセリフを何度も聞いたことがあります。なんとも不可思議な日本語を、大勢の人たちが何の疑問も持たずに使っている姿に、何度も何度も愕然としました。
 
 そもそもボーナスとは、「年末や夏期などに,正規の給与以外に特別に与えられる賞与金のことを言い、標準以上の成果を挙げた労働者に対して支払われた賃金の割増し分」です
 
その昔、ボーナスに係る社会保険料の負担が少ないことから企業がこぞって月例給を抑え、ボーナスを過剰に増やしたという流れがあります。
 
その後、平成15年4月より、社会保険の総報酬制の導入(給与と賞与のどちらも保険料計算の基礎とする)が行われたことで、ボーナスを過剰に支払うことはなくなってきました。

 
そんなボーナスの財源を、銀行借り入れで用意するということが、なんとも不可思議な発想で、常に疑問視していました。
標準以上の成果を挙げた労働者に支払うのですから、借入は必要ないはずなのです。
 もちろんこの借入は、経営にとって悪いものとなります。

そもそも資本主義とは調達した資金を「人・物・金」に投入し、そこから得られる収益や利子・配当で稼ぎを得ることにあります。

そのため、資金調達にも様々あり、皆様がよくご存知の融資にとどまらず、出資や担保貸付にも及びます。

それら全てをfinanceと呼ぶのですが、中暑零細企業においては融資にしがみつく傾向や、財務コンサルタントでさえ、融資一辺倒のアドバイスをしてしまいます。

元金と利息を負担する融資にしがみついていては、いつまで経営を頑張っても、“勘定合って、銭足らず”の状態からは脱出できません。

出資は無理だとしても、元金据置、利払いのみの担保貸付を活用することも学んでほしいと思います。

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