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24.親の言うことを聞かない方がいい本当のお金の常識

「社会人になったら、貯蓄しなさい、保険も自分でかけなさい」と言われたことがある人は少なくないと思います。
 
私がこれからの社会人に伝えるとしたら「社会保障制度を理解し、企業保障制度も確認し、リタイアまでの年数を活用して、蓄えるペースを設定しなさい。財産形成のペースが決まったら、最後に足らずを保険で補いなさい」と伝えます。
 
人には長所と短所があり、共通の目的に向かって、長所を生かし短所を補い合える人たちを「仲間」と呼びます。
 
広義の金融にも、長所と短所があり、それらをうまく生かし補い合えば、ムダもムラもムリもせずに済みます。
 
ところが、社会保険は難しい、企業の福利厚生は会社には聞きづらいなどという不都合な常識が、個人の家計のムダ・ムラ・ムリを発生させる要因となっています。
 
 
「総合家」の必要性(専門的分業の弊害)
 
人口が増加した時代、日本は、分業して各々が専門家になっていくことで、すべての人が働ける環境を整えてきました。
 
半面、専門的分業を推し進めるうちに、異なる専門間の調整であるとか、専門性が他へ与える影響だとかを考えにくい複雑な状況を産むことにもなってきました。
 

社会保障と企業保障、企業保障と個人の準備、社会保険と生命保険、生命保険と損害保険、貯蓄と運用、ローンと貯蓄、それらに関する税金。これらすべてを従業員が自分で判断し選択する自由があるというのは逃げ口上で、これは自由ではなく「放任」と言えます。
 
 企業は業績向上や経費削減・資金繰りに興味はあっても、社内研修や福利厚生の説明会など、従業員の能力向上や待遇改善に関することには消極的です。
 
その証拠に、厚生年金基金や適格退職年金という従業員の退職後の生活を支える仕組みにおいて、保険会社や信託銀行が運用の失敗をしたにもかかわらず、その積立不足という大問題を、従業員側に押し付けるかのように拠出型企業年金(従業員の皆さまが運用の責任を負う制度)へ切り替えてしまいました。
 
資産運用の知識を与えず、「形だけ整えて」従業員の福利厚生だと言っても、従業員が有効活用できる環境を整えない限り、公助・共助・自助努力のバランスがとれない状況は、これからも続くことでしょう。

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