世界最大のスパイスメーカー マーコミック 財務分析
株の分析して行く記事を毎日投稿しています。
今回はマコーミック・アンド・カンパニー(長いので以下MKC)です。
基本情報
米国株。世界最大の調味料メーカー。売上高地域の60%が米国。
財務分析
損益計算書
粗利益率40%、営業利益率18.7%、純利益率13%
食品関連の企業の利益率は高く、その業界に属しているこの企業も例にもれず高いです。
その理由は競争力があり値下げ戦争みたいなことがあまり起きにくいことが要因として挙げられます。
値下げ戦争を分かりやすく言うと
航空業界などはどんな会社の飛行機に乗ったところであまり変わらないので、値段が安い飛行機に乗ることでしょう。
ということは他のとこより値段を下げれば需要が高まり結果的には売り上げが上昇するので値段を他のとこよりみな下げようとしますがみんな下げちゃったのでまた下げなければいけないの繰り返しなので利益率が下がりやすい構造です。
このように競争が起きやすい業界は10%以下の純利益率ばっかりでユナイテッド航空は7.5%、UPSは6%、フェデックスに至っては2%という状態に陥っています。
ということは利益率がある程度高いMKCは非常に競争優位性が高いです。
EPS(1株当たり当期純利益)は安定性が低くはありませんが高いとは言えません。しかし15年間で約4倍に増えています。
売上高は安全性が高くじりじり伸ばしていて15年間で2倍と規模が大きい企業なら結構いい数字です。
ROE20%越えといい数字を出しており、これも値下げ戦争があまり起きていない恩恵だと思います。
損益計算書を評価すると優良な企業です。
貸借対照表
自己資本比率30%とこの業界じゃあまり高くなくその要因は長期者入金にあります。
長期者入金の額は3500億で1兆の総資産と比べれば多額すぎる負債を抱えていて、さらに長期負債の額は純利益をすべて返済に回しても5年かかるのでこの企業はさすがに長期負債を抱えすぎです。
総資産のうち現金同等物の比率はたったの1.5%なのでもし赤字になるようなことがあればもしかしたら耐えられないかもしれません。
内部留保
内部留保をよく知らない人のために言っておくと内部留保は貯金ではありません。
多少簿記の知識がある人ならわかると思いますが、内部留保とは経費と株主に償還するお金を差っ引いて投資や借金返済そして貯金にまわすお金です。
内部留保は15年で平均13.5%で増えており、この企業の収益力はえぐいことがわかります。
この企業の、のれん代が4500億という膨大な数字に上っている理由があり現金を貯めこまずそのお金を投資に回したのが理由でこれをどうとらえるかは自由ですが、私的にはさすがにリスクを取りすぎていると思いますが、こういう経営をするのを推している人はいるし、その意見は一理あるとます。
この企業の貸借対照表はあまりよくないです。
この企業は多額の負債を抱えており行き過ぎたリスクをとっているので評価は低いですが、人によってはいい貸借対照表だというかもしれません。
この企業の財務は優良なのか、優良ではないのか?
この企業は優良ではありません。
損益計算書はいいんですが(とはいえ超優良ではないが)、貸借対照表があまりよくないため評価が低いです。
10段階評価にすると(平均が5だとすれば)4ぐらい。
※投資は自己責任でお願いします。
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