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身から出たサビ

今日はやることなすことうまく行かない日だった。唯一良かったことは午前中に日本在住の友人と話せたことくらいである。

初診の自宅から遠く離れた場所にある循環器内科。前日にジムに行った時に使ったリュックの中に財布を入れたまま家を出てしまった。最近は携帯のアプリで市内交通に乗車できることもあり、気づいた時はすでに45分ほどかけて最寄駅に着いた頃だった。財布に保険カードが入っているのだが家まで取りに帰れる距離でも時間でもない。

仕方なく受付で保険カードを自宅に忘れたことを伝えると、カードがないと診察できないと言われてしまう。このパターンもいくつかあって、何度も通っている顔馴染みの医者の場合、後日カードだけ見せればいいこともあるし、後からメールでカードの表と裏のコピーや写真を送れば済む場合もある。今日の循環器内科は残念ながらどちらにも当てはまらず、保険会社に連絡してカード保持者である証明を送ってもらう必要が出てきた。

実はこの手続きも過去に一度だけやったことがある。サービスセンターに電話をして診療所宛にFAX(!)を送ってもらえば手続き完了。ところがサービスセンターから送られたはずのFAXが待てど暮せど届かない。受付の人がFAXは時間が掛かるのでメールにしてくれ、と言われてしまう。受診ミスだと思うんだけどな…ただ、届かないものはどうしようもない。仕方なく再度同じ電話番号に事情を話すと先ほどのやり取りが記録されていたようで、かなり同情されてしまった。「データ保護法の関係で個人情報は本来ならメールで送ることができないんですが今日だけは送りますね」この保険会社はドイツにしては非常にサービスが良いのである。

待つこと数分。ようやく携帯宛にメールが届く。それを診療所のメールアドレス宛に送るがいつまで経っても受信されない。2度試してもダメ。保険会社に連絡すること2回、口頭で個人情報の確認をすること2回、FAXとメールを送ってもらってもダメ。さて、どうしようか。アプリをダウンロードしてみたが今度は携帯ブラウザの不具合で生年月日がなかなか打ち込めない。日本語設定なのが良くなかったのだろう。30分以上が経過した辺りから、さすがにイライラしてきた。カードを忘れたのは仕方がない、ただそのためのサービスがFAXとメール受信ができないために受けられないのは私の責任ではないはずだ。

45分かけて通院し、45分かけて保険会社に掛け合い、診察を受けずに45分かけて帰ってきた。イライラした分、心拍数は上がっただろうし、疲労困憊。これでは本末転倒である。身から出た錆とはまさにこういうことをいうのだろう。明日も別の診察が待っている。寝る前に持ち物を全て確認するようにしたい。

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