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自分への僅かな気遣い

日本滞在中、ほぼ毎日動き回っていたのが嘘のように、ベルリンではデスクで作業している時間が格段に長くなった。あまりのギャップに自分でも驚くが、モニターの前に座りっぱなしというのも非常に骨が折れる。

肩こりに腰痛持ちには天敵の「長時間同じ姿勢で座り続ける」を意識して解除してあげないと、バキバキに凝り固まって大変なことになるからだ。だから、気付いた時は1時間おきに、何か用事はないかと家の中をウロウロすることにしている。

洗濯物を干そう、でもいいし、洗い物を片付けよう、でもなんでもいい。とにかく椅子から体を離して数分でも動ければそれでいい。明日は5分でもいいから、ストレッチや瞑想を休憩に取り入れてもいいかもしれないな。日々のそんな微々たる自分への気遣いが、近い将来、自分に跳ね返ってくるような気がするのだ。そのくらい、最近は無理ができなくなった。

止むなくとはいえ、今回のように日本からドイツまでの移動に26時間も掛けると、なかなか体調が回復しない。それでも、朝早起きして寝るまでにやっておきたいことは山積みなわけで。

明日は久しぶりにベルリンの市内交通を利用して、少し遠出する用事が入っている。日本ではあまりの暑さにヘッドフォンをしながら外出する気にもならなかったが、お気に入りの曲と共に出かけるのがちょっと楽しみだ。

お気に入りの曲、といえば白神真志朗さんがついこの間、新曲「穏やかで冷たい傷」を出したばかり。

少し秋めいた空気に染みいるような歌詞と楽曲となっている。「あなたのことは全て」も好きだが、それに続くお気に入りになりそう。白神さんの透明感のあるボーカルも魅力的だ。

ただふたりでいられたらよかった
それだけが叶わないから
甘い言葉の代わりに
言い訳を聞かせて

「穏やかで冷たい傷」より

自分の好きな音楽を聴きながら、一息つくためにアイスコーヒーを飲む時間が愛おしい。

音楽を聴いていると、ふとその時に抱いていた感情が蘇ってくることがあって驚くことがあるんだけど、特定の香りにも似たような効果があるのかも。長い間、使わずに閉まっておいたカバンの中や洋服からふわっと残り香が立ち上るときなんかに。

自分への僅かな気遣いをすることで、もう少し他人にも優しくできればいいのにね。そんなことを思ったりもした。





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