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早朝からパスポート申請に行ってきた話

とにかく昨今のベルリンはTermin(予約)を取るのが至難の技である。デジタル化した弊害もあるかもしれないが、ただ単に利用者が増えただけなのだと思う。ベルリンの人口が以前に比べて間違いなく増えているからだ。

何の予約かというと、病院を筆頭に各手続きが必要な区役所もそれに当たる。一番予約を取るのが難しいのは恐らく移民局であろう。

さて、今回の予約は12歳の誕生日を目前に控えた息子のKinderpass(子ども用の旅券)の更新である。厳密に言うと、子ども用の旅券は12歳まで発行可能なものになるので、一般の旅券を新たに申請する必要があるわけだ。

このために何度予約を変更しただろう。というのも、まず学校があるので授業が終わったあとに予約を入れる必要が出てくる。これが相当難しく、空きが出ても自宅からかなり遠い地区の役所であったり、時間的に学校を早退する必要があったりとなかなか思うように予約を取ることができなかった。

何度か予約を取っては変更、というのを繰り返していたが、授業最終日の今日の早朝に自宅から30分以内で行ける役所の予約に空きが出たのである。早朝分だったが、迷いなく取って担任にその旨を伝え、朝から息子と連れ立ってまだ日の登らぬうちに役所に向かうことになった。担任の先生も「予約を取るのが大変なのは非常によくわかります。私の息子たちのパスポートも全く作れていません」と理解を示してくれた。

自宅から最短距離の役所は地下鉄からすぐの思いのほかきれいな建物に入っていて、対応してくれた人たちも非常に感じが良かった。「みんな優しいな、ママ」と息子が言ったくらいなので相当である。

入口ではまずサンタの帽子を被った警備員の女性に予約番号と用件を伝える。「あら、息子さん何歳ですか?」と聞かれたので11歳だと答えると「私の息子も11歳なの」と満面の笑み。

早めに到着したので少し待ったが、それでも予約時間から換算すると、10分ほどで順番が回ってきたことになる。担当の女性に旅券を申請したい、と伝えると子ども用のパスポートなら6ユーロですよ、と言われたので来月12歳になるので旅券を作りたいと言うと「あら、ほんとだ、余計な説明をしちゃったわね」と即手続きに入ってくれた。旅券の発行には37ユーロかかる。

その担当者の息子が偶然、神戸に留学中ということで少しその話にもなった。日本にゆかりのある人に当たったわけだ。ドイツでは子どもの旅券発行にも両親の同意書が必要で、本人出頭はもちろんのこと、出頭できない保護者の身分証明書も提示する必要がある。これは署名が本人のものであるか確認するためのようだ。

パスポート用の写真も用意していたのに、何かの拍子でケースから落ちてしまったようで焦って探したものの見つからない。これについては、他の役所にはなかったデジタル式のフォトマシーンが備え付けられていたので事なきを得た。あやうく二度手間になるところだった。

発行までに6週間ほどかかるらしいので、念のためにエクスプレス発行にしてもらう。冬休みにどこかへ行くかもしれないからだ。というかパスポートが間に合うのであればやっぱりどこかへ行きたいよなぁ。

そんなわけで、息子は最終日に少し遅れて学校に行くことになった。「寿司がなくなってるかもしれない」と言っていたが、今日は朝から教室で映画を見ながら持ち寄った食べ物を食べるんだそうだ。そういえば、娘の学校も最終日はそんな感じなので、朝から一緒におにぎりも握ったんだった。



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