漫才台本『盛る』

東京NSC29期生になる安斉です。
今日は漫才台本。
よろしくお願いします。

B:ボケ
T:ツッコミ


T「どうも~よろしくお願いします。」

B「お願いします。」

T「彼女が欲しくてね、
  マッチングアプリを始めたんですよ。
  ちょっといい感じの女の子が出来まして。」

B「いいじゃないですか。」

T「今度、実際に会うことになったんだよ。」

B「あ、インターネットだけじゃなくて。」

T「そう、生で会う。」

B「大丈夫かなぁ。」

T「なにが?
  めっちゃ可愛い女の子よ。」

B「お前は画像でしか、
  彼女の写真見たことないんでしょ。」

T「そうだけど。」

B「実際にあったら、
  結構印象違うこととかあるよ。」

T「写真加工して可愛く見せたりとかあるよな。」

B「女の子は自分のことを、盛るからな?」

T「大林ユメちゃんはそんな子じゃないよ。」

B「どうかな。」

T「長女だからしっかりしてるし、
  韓国が好きで、
  普通の女の子だよ。」

B「練習しといたほうがいいな。」

T「実際に会った時の練習?」

B「俺が大林ユメちゃんやるから、
  お前が考えてるデート、やってみてよ。」

T「わかった。まずお昼に駅前に集合。
  あ~、ユメちゃんまだかなぁ。」

B「お待たせしました~。」

T「あ、ユメちゃん?」

B「Tさんですか?」

T「うん、リアルで会うの初めてだよね。」

B「ええ、うそっ。やだっ。
  かっこいい~。」

T「いやそんなことないよ。」

B「タイタニックの時のディカプリオみたい。」

T「そんなことないよ!?
  あんなにかっこいいわけがないよ。」

B「ごめんなさい。
  バスが遅れちゃって。」

T「全然大丈夫だよ。」

B「あ、走ってきたから、すみません。」
(酸素ガスを吸うマイム)

T「そんなにやる必要ある?
  っていうか名前なんて呼べばいいかな?
  やっぱり大林さんかな。」

B「あ、本当は小林っていいます。」

T「盛り癖がすごいな。この子。
  めっちゃ盛るじゃん。」

B「小林リアルです。」

T「大林ユメじゃなくて。」

B「小林リアルです。
  リアルって呼んでください。」

T「フルネームを盛ってたのか。
  盛ってるのか?これは。」

B「今日のデート楽しみです。」

T「早速行こうか。
  電車に乗って、動物園に行こう。」

B「ええー!
  私、電車乗るの初めて。」

T「新幹線のテンション。
  やめて、さすがに盛りすぎだから。」

B「スイカチャージしなきゃ。」

T「携帯に入ってるじゃん。
  そんなやつ乗ったことあるじゃん。」

B「10000円と。」

T「いれすぎいれすぎ。
  旭山動物園行くと思ってる?」

B「一万円じゃ北海道までいけませんよぉ。
  和歌山がギリですよぉ。」

T「やっぱり詳しいじゃん!
  まぁいいや。行こう。ピッ。」

B「ピッ。」

T,Bここから片手をあげてつり革をつかむ。

B「(めっちゃせまそうにする)」

T「全然こんでないけどね!
 なんかすごい狭そうにしてるね!」

B「私、今日韓国風メイクしてきたんです。
  ほら、目元赤っぽいでしょ。」

T「あ、ほんとだ、アイシャドウ?」

B「豆板醬」

T「豆板醬?!
 え、韓国の調味料でメイクしてるの?」

B「まゆげは韓国のりを細くちぎって・・」

T「いやいやいや・・・」

B「もう、冗談ですよ。」

B、少し横に移動。

B「この先、少し揺れます。(車掌風)」

B、戻る。

B「キャッ。」

T「大丈夫?電車が揺れたね。」
B,T近づく。

B「え、なんかドキドキする。
  この感情、もしかして、憎しみ?」

T「もう愛を通り越した!
  盛り癖がすごすぎて通り越しちゃってる。」

B「(大げさに揺れるマイム。)」

T「そんなに揺れてない揺れてない!
  周りのお客さん引いてるから。
  背骨忘れてきたと思われるから。」

B「ここで乗り換えしたら78円安くなりますよ。」

T「んん、詳しい。」

B「動物園ついたーー。」

T「ついたね。」

B「あー、見てキリンさん!
  首ながーい。私と同じくらい。」

T「盛りすぎだよ。」

B「あー、ゾウさんだー。
  鼻ながーい。私とおなじくらいだ。」

T「もう盛るのやめてよ!」

B「これはほんとですよ!
  私、長女ですから!」

T「関係ないよ!」

B「いや私、長おんなですから。」

T「あ、長い女の方の意味の長女!?
  いやねぇよそんなほうは!?」

B「(首を振り回す)ぶぉん!」

T「あぶねぇ!」

B「もう帰ります!」

T「待って、ディナーを予約したんだ!」

B「一人でラーメン食べます!
  油少なめ、野菜少なめで。」

T「そこは盛らないんかい。
  どうもありがとうございました。」

~おわり~


あとがき
漫才台本って、
相方がいないと意味ないですよねぇ。
50パーセントの完成度にしかならないというか。
実力ない人間が何を言ってもしょうがないか。
今のところですが。
地道にできることをやるだけです。
P.S.
韓国メイクのところ好きです。

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