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月経観変革の第3次ムーブメントが来ている

・日本における革命的ともいえる月経観の大変革期は、使い捨て生理用品の元祖「アンネナプキン」が発売された1960年代であった。ナプキンが登場したことで、女性たちの経血処置は格段に楽になり、経血の流出が女性たちの活動を制限することが少なくなった。女性たちの月経に対する「負担感」が激減したのだ

・アンネナプキン発売以前に月経観の変革期があったとすれば、それは明治時代だ。平安時代に律令制度のもとで公に「穢れ」と規定された月経が、実に1000年ぶりに「はばかり及ばず」(太政官布告)とされた。また、それまで経血処置に用いられていた布や紙に替わって、脱脂綿が登場したのも明治時代だった

・そして今、月経観変革の第3次ムーブメントが起きている。月経不浄視が根強いインドで生理用ナプキン製造機を発明、普及させた男性が主役のインド映画『パッドマン 5億人の女性を救った男』、インドの根強い月経不浄視を描いた『ピリオド―羽ばたく女性たち―(Period. End of Sentence)』、月経を擬人化したキャラクター「生理ちゃん」。これらの特徴は、月経に(よい意味で)関心を持ち、理解しようとする男性が増えた

去年からだろうか。生理についてオープンに話しやすい空気感になっている。

それまでは女友達との間ではあっけからんと話せても、職場や男性がいる場、不特定多数の人が目にするSNSでは生理という単語はおろか、生理がテーマの記事をシェアするのも憚られた。

しかし、SNS界隈で記事でも挙げられていた生理ちゃんが話題になるようになり、いわゆるインフルエンサーがシェアするようになり、だんだんと「生理」に言及することに対して後ろめたさが薄れていくのを感じた。

渦中にいるときは気づかないけれど、その生理ちゃんの実写映画化が決まり、『パッドマン 5億人の女性を救った男』が大きな反響を呼び、『ピリオド―羽ばたく女性たち―(Period. End of Sentence)』がアカデミー賞短編ドキュメンタリー映画賞を受賞し…。こういった流れを見ると、確かに生理へのタブー視というのは払拭されていっていると思う。

一方、生理について話せるようになったからこそ、男性の生理に対する知識の少なさや誤った認識が明るみになった。これはある種チャンスとも言える。パートナーや会社の人が生理のことを理解してくれないことによるすれ違いをなくすことができるからだ。

そのためにも月経観変革の第3次ムーブメントを、単に「男性の関心が高まった」で終わらせたくない。


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