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啄木を謡って世を捨てる

東京オリンピック2020が開幕して、開会式が行われましたね。伊豆の山中で棚田の保全をしながら民宿(コロナで休業中)を営む私にとって、この開会式は心待ちにしていたイベントでした。ある時点までは。

様々なトラブルが表面化する前から雲行きは怪しかったですし、コロナ変異株の感染拡大は間違いない中でも、何か人々の心を前向きにさせてくれるきっかけになってくれるのではないかとの期待がありました。

実際にはどうだったか。全てを見る気もなかったのですがネットに上がった動画のいくつかを見るに、これほど惨めで悔しく、がっかりした開会式はなかったでしょう。もちろんご尽力された方々には敬意を表しますが。

昔、就農して再びラジオを日常的に聴く生活になった私は、作業中にラジオから聞こえてきた、ある不思議なアイドルのファンになりました。2006年頃の事です。その後のブレイクは、まるで奇跡のようでした。

東日本大震災が起きた年に農業から離れることになった私を救ってくれたのは彼女たちの活躍でした。その不思議なダンスを振り付けていたのが水野幹子さんで、彼女が心血を注ぎ小学生から育てあげたのがPerfumeでした。

リオの閉会式でのパフォーマンス見た時、私たちファンは歓喜しました。すぐにその演出が水野幹子さん、つまりMIKIKO先生だとすぐにわかったからです。技術関係はライゾマティクス。つまりチームPerfumeなのだと。

現実は、東京オリンピック2020の開会式はMIKIKO先生の演出にはならず、Perfumeも出ませんでした。文春の報道では電通の佐々木某が先生を追い出し、さらには企画をパクって改悪するという経緯だったようです。

鴨長明は鎌倉時代の世捨て人で随筆家ですが、琵琶の名手でもあったそうです。そんな彼がなぜ世を捨てたのか。伝授者以外は演奏禁止の啄木という秘曲を演奏したことが原因という説があります。

人の企画をパクってきた佐々木某も電通も、いずれ、ゆく川の流れに消えるでしょう。電通以外は演出禁止の東京オリンピックという曲を、MIKIKO先生が演奏しなかったのは幸いです。まだ世を捨ててはいけない人です。


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