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癖とは人が無意識のうちに、あるいは特に強く意識することなく行う習慣的な行動のことで、自分では気づいてない場合が多い。
僕も爪を噛んでしまう、骨をポキポキ鳴らしてしまうなど典型的な癖がある。

最近はTVで芸人さんのフレーズで使われており、そのまま番組タイトルになったりと身近な言葉だと思う。
僕はそんな癖の中で小さい時からどうしても抜けない癖がある。

紛失癖だ。
誰でも物を無くすことはあると思うし、よくあることなのでは?と思われるかもしれないが、僕のそれは身近な人ならわかるくらいの自他共に認めるほどに「癖がすごい」。

【自転車の鍵】
高校生の頃、部活の帰りに自転車置き場に部活仲間と向かう時に自転車の鍵がどこにあるかわからなくなって帰り時間が遅くなることはザラにあってよく怒られていた。

【財布】
社会人の頃、車で片道2時間の他県にマラソン大会に参加した時のことだ。
友人たちとフルマラソンを終えて焼き肉を食べて地元に帰った時に財布が見当たらないことに気づいた。県外の焼肉店だ。免許証なども財布の中なので運転も出来ず、翌日また片道2時間かけて友人に県外まで連れて行ってもらったのだ。

【車】
車で思い出したが車を友人宅の駐車場に置いて遊びに行った時には帰ってきた時にトラックに挟まれて出せなくなったことがあった。その時も車が運転出来ない翌日仕事の僕のために友人に運転して連れて帰ってもらったことがある。
これは余談だ。

【スマホ】
友人と九州旅行に行ってハウステンボスを楽しんだ後車で次の目的地に車で向かっていた時にスマホがないなと思った。友人らはハウステンボスに電話してくれたり、探したりしてくれた。ひとしきり探した後に自分が運転しているサイドポケットに当たり前に入っていた。自分の周りは探したと言ったあとに。
友人はしっかり呆れていた。
それからしばらくはスマホのGPSアプリを搭載して友人に自分のスマホの現在地を把握してもらうことになった。

【結婚指輪】
結婚して1年半経った頃、全くどうにも指輪が見つからなかった。僕の紛失癖は本当に酷くあげたらキリがないほどなのだが、大半は見つかるのだ。紛失癖とは言ってはいるが多くはどこに置いたか忘れてしまっていることばかりでふとした時に出てくることが多い。根拠のない自信なのだがいつも最後には出てくると心のどこかで決めつけているのであまり動揺しなくなっていた。
今回の指輪は本当に紛失したのだ。1番なくしてはいけないものだ。約2ヶ月そのうち出てくるだろうと猶予期間をもっていたが流石にもうこれは見つからないなと思い、全く同じ指輪を買うことにした。
大金を持ってジュエリー店に行くと店員さんから思いがけない話を聞いた。
「警察に行っていただいて遺失届を出していただければそれの引き換えに半額で購入できますよ。」
そんな仕組みがあるのかと驚いたのだがちょっと申し訳なさもあった。
遺失届というより紛失届なのだから。しかし背に腹はかえられぬ。
警察署に早速向かい遺失届を申し出た。
しかしこの時に何か既視感のようなものを僕は感じた。
なんだっけなと物忘れの激しい頭をその場でフル回転させた。
財布を無くしたとき、夜中の警察署に遺失届を書きに行っていたことを思い出した。4年も前に同じ届出を書いていたのをまた忘れていた。

身近な人たちには本当に迷惑をかけっぱなしな僕の紛失癖。
車の鍵はまだ無くしていない。


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