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巨人用の顔ハメ看板を見つけた話

街中にある面白いものを見つけるのが得意な友達がいるので、彼を見習って自分の周りに面白いものがないか気にかけようと心がけていた、ある日のことだ。

日暮れ頃からいつものコースでランニングを始めた。何か発見しないかなと、普段より気持ち視線を上に向けて走っていると、観光地でよく見かける顔ハメ看板を見つけた。その地域の有名人(名産物のときもある)の写真やイラストが描かれた看板で、くり抜かれた顔のところに自分の顔をはめて、記念撮影をするアレだ。見つけた看板の写真は、スーツを着た人が「鈴鹿」と書かれた色紙を持っている。新元号が発表されたときのパロディだろう。
こんな看板もあるのかと少し感心していると、自分の首がだいぶ上を向いていることに気づいた。そしてその看板が、電線に届きそうなくらいの高さに置かれていることに気づいた。

たぶん、4、5メートルくらいの高さにその顔ハメ看板はあった。一体誰があそこに顔をはめられるのだろう。巨人くらいしか、あの看板を楽しめるものはいない気がする。

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