ビートルズ風雲録（５） リンダ・イーストマン、ピート・ベスト
リンゴとジョンの誕生を紹介しました。さて、次はポールとジョージ、と言いたいところですが、ここで再び重要な関係者が誕生します。
1941年 リンダ・イーストマン、誕生！
リンダ・ルイーズ・イーストマンは、1941年9月24日にニューヨーク市で生まれました。
父はリー・イーストマン、母はルイーズ・サラ・リンドナー・イーストマン。リンダは、ニューヨーク州ウェストチェスター郡の裕福なスカーズデール地区で育ちました。1960年代中盤から後半にかけ、ローリング・ストーンズをはじめとする様々なロック・ミュージシャン専門のカメラマンとして活動。1969年にポールと結婚して、リンダ・ルイーズ・マッカートニーとなります。
父親のリー・イーストマンは1970年から義理の息子であるポール・マッカートニーの弁護士を務めました。彼はビートルズ解散時期に重要な役割を果たすことになります。
ところで、リンダ・イーストマンですが、イーストマンという名前とカメラマンという職業から、あのフィルムメーカーとして世界に君臨したイーストマン・コダック社の創業家の関係者かと噂されたことがあります。これについては本人が強く否定しています。リンダの家はロシア系ユダヤ人の移民です。アメリカに移民したときにイーストマンと改名したとのことです。改名前の名前は、エプスタイン。あれ？ ビートルズのマネージャー、ブライアン・エプスタインと同じですね。ブライアン・エプスタインの一族は、リトアニアから移民してきたユダヤ人です。そのころのロシア・リトアニアはポグロムの時代です。ユダヤ人は迫害され、他国に避難するしかありませんでした。
1941年 ピート・ベスト、誕生！
ピート・ベスト（ランドルフ・ピーター・ベスト）は、1941年11月24日、インド・マドラスで生まれました。
ピートの母親モナはデリー出身で、赤十字の看護師になるための訓練を受けていたときに軍人である父親のジョン・ベスト二世に出会いました。2人は結婚し、ピートと弟のローリーが生まれました。
第2次大戦後のインド独立運動のあおりを受けて一家は帰国を決意、1945年12月25日、最後の軍用船ジョージック号でリバプールに到着しました。
1954年、母モナは競馬で大穴を当て、その資金でリバプール郊外に屋敷を購入します。その後、屋敷を改装し、地下室でコーヒーバー「カスバ・コーヒー・クラブ」を始めます（1957年）。その開店記念のイベントとしてバンドの生演奏があり、そのバンドのひとつがビートルズの前身であるクオリーメンでした。メンバーのジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、スチュアート・サトクリフとはこの時に知り合ったと伝えられています。
ピート・ベストは、「ビートルズ」の最初のドラマーでした。
ビートルズ風雲録（6）に続きます。
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