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〈知らない場〉に行ってみたレポート

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毎月どこかで〈よそ者〉になる。 2023年、月に1回〈知らない場〉に行ってみるというミッションを課していました。そこで出会ったものや感じたことを、ばらばらと書いています。
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2023年12月の記事一覧

2023.1|いちばん異文化な〈場〉

1月 〈TEDxICU〉に行ってみた。 12個の中で、いちばん異文化に殴られた〈場〉だった。 TEDを知っているだろうか。勉強している高校生が、英語の先生に勧められがちなあれである。 TEDでは、様々な分野の人が自分の体験や思想を18分間のプレゼンテーションで発信する。〈TEDx〉はTEDからの公認を受けた団体によって行われるプログラムで、世界各地で独自に開催されているTEDという感じだ。 2023年1月に開催された〈TEDxICU〉は国際基督教大学(ICU)が会場で、

〈知らない場〉に行ってみたレポート2023

2023年、ひそかに立てた目標があった。 それは、月に1回〈知らない場〉に行くこと。 わたしの場合、大学生活が後半に差しかかる頃には、自分の興味がとてもはっきり見えてきていた。災禍やその記憶を受け継ぐことについて、自分の人生を捧げて考えたいと思うようになっていた。 でも同時に、生きる中で触れる様々なものを「自分に関係がある/関係がない」と無意識に区別するようになっていた。このことに気づいて、違和感と危機感を覚えた。 全然関係ないと思っていたものどうしがつながって、発明が

2023.2|いちばんゆったりした〈場〉

2月 鳥取県南部町に行ってみた。 12個の中で、いちばんゆったりした〈場〉だった。 鳥取県南部町は、自然がいっぱいで、人があたたかくて、おいしいものがたくさんある感じの小さな町である。小さいけれど、濃ゆい町である。 南部町の魅力を紹介することにおいて、私はまだまだ未熟だ。 ということで、詳しくはわたしを南部町へ連れて行った人のnoteを読んでいただきたい。 私としては、あくまで初めて南部町を訪れて感じたことを中心に書くことにする。 11時間の夜行バス初めての南部町訪

2023.3|いちばん出会いの多い〈場〉

3月 目黒区にあるクラフトビレッジ西小山で開催された、トークセッション〈しゅたいって?〉に行ってみた。 12個の中で、いちばん出会いの多い〈場〉だった。 トークセッションでは、属性がばらばらな大学生5人が「主体」や「主体性」をめぐって言葉を交わす。リアルタイムでグラフィックレコーディングが出来上がっていく様子を見られるのも、新鮮で面白かった。 始まる前やあとには、人を紹介してもらったり、お友だちになったり、カレーを食べたり。 初めて体験するような独特の空気感や、そこに

2023.4|いちばん暮らしに活きる〈場〉

4月 都心の住宅街の一角で開催された、〈気持ちに合わせてつくる自分だけのブレンドコーヒー体験〉に行ってみた。 12個の中で、いちばん暮らしに活きる〈場〉だった。 〈気持ちに合わせてつくる自分だけのブレンドコーヒー体験〉(以下、〈珈琲体験〉)は、はじめて私が自分で見つけてきた〈場〉だった。 Peatixを使って探し、予約し、どきどきしながら向かった。 まちがえて下の階の定食屋さんのドアを開けてしまい、きょとんとした顔をされた。 〈気持ちに合わせてつくる自分だけのブレンド

2023.5 |いちばん言葉にし難い〈場〉

5月 埼玉県東松山市にある原爆の図丸木美術館 で開催された、ワークショップ〈丸木美術館で変化のかけら探し〉に行ってみた。 12個の中で、いちばん言葉にし難い〈場〉だった。 丸木美術館には、画家の丸木位里・俊の共同制作《原爆の図》が展示されている。 丸木夫妻は、戦後の米軍占領が続くうちから《原爆の図》の制作を始め、生涯にわたって被爆の実情を訴え続けた。 原爆以外に戦争や公害などの問題も取り上げ、丁寧に描いている。 初めて訪れた丸木美術館は、とてもとても遠くにあった。 「