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最強戦2022女流プロ最強新世代A卓自戦記【南場編】

南1局

南入。2着目の後藤さんとは36400点差。私にはオーラスの親が残っているが、終わらせにくる人がいる。
親番が回ってきたときに4000オールで並びになる点差、すなわち16000点差が勝ち抜けるラインだと思っていた。
よって3局で満貫跳満1回ずつを狙う。

しかし2巡目で蒼井さんから七対子の八待ちリーチが入る。

9巡目、比較的安全に25s待ちテンパイ。できれば2着目の後藤さんに満貫以上の親被りをさせたいところであったが、リーチに対応している様子。局数が減る可能性が高くなり、打点は不満だがリーチが入っている以上、1p対子落とししている間にツモられるよりはこの形でリーチして裏期待の方が良いと判断。

2sをツモって裏1の1000,2000。

南2局0本場

ドラドラの好配牌。

ドラ3になった4巡目が難しかった。ドラ暗刻になって平和がつかないのならば、断幺九を確定させる2s切りも考えた。索子の受け入れ枚数としては変わらない。
①57s切り→1sの方が和了りやすく、57sをまとめて切ることで筒子のフォロー牌を持つことができる。1sをツモっても裏1で跳満。
②2s切り→断幺九、跳満が確定する。筒子から埋まったときに待ちを選ばないといけない。

7s切りを選択し、結果は見事に6sを取り逃した。蒼井さんと私のふたりテンパイで流局。

南2局1本場

配牌。123の三色、メンホン、ドラ受け全てを残す68p落とし。

4巡目でまた選択だが、リーチツモドラ裏を目指すにはあまりにも形が悪い。ドラを引いたときは七対子にするつもりで七九落とし。

6巡目でまたもや蒼井さんからドラ3の間4pリーチが入る。

戦える形ではないので一牌足りとも押さないのだが、上家が合わせた5sをチーして形テン発進。安全牌は足りる。早すぎる発進だと思われたかもしれないが、正直形テンは取れるとほぼ思ってなくて、形テンを取る他の目的があった。

私が粘ることで2着目の後藤さんが粘って形テンを取る可能性を少しでも減らすこと。ドラが八なので、私に断幺九ドラ3の満貫直撃のリスクは負えないはず。
もっと言えば、3900や5800なら後藤さんが手詰まって蒼井さんに放銃してくれてもいい。現状2着目の後藤さんは親番が落ちていて親被りさせることがもうできないからだ。2着目との点差が大きく変わらないならば、次局また親番をする蒼井さんに入れ替わることは私にとって悪くない。 

この局は蒼井さんの1人テンパイで流局。

南2局2本場

私は全く打点の見えない手牌でドラも重ねられず、3段目に入り、蒼井さんから断幺九平和の58s待ちリーチ。

同巡にテンパイ。これは役なしだがダマとする。
解説がリーチしていたら蒼井さんから5pロンできたと言っていたが、また何度同じ局面がきても、当たり牌がツモ切られると言われても、リーチすることはないと思う。
現状2着目は後藤さん。蒼井さんから1300点をあがることにほとんど意味がない。むしろ、残り5巡で親の連荘の可能性が濃厚な中で、1300点で残り局数を減らしてしまうことがマイナスだ。
ツモってしまってもあがらず、親の現物である1p雀頭を対子落としする。

3巡後、蒼井さんが8sをツモって裏1の4000は4200オール。

南2局3本場

一気に2着目が鳥井さんとなり、39400点差。こうなると跳満以上の手を狙わざるを得ない。小四喜か四暗刻かという手を必死につくる。

蒼井さんの500は800オール。

南2局4本場

私がまたメンホンか四暗刻かという進行をしていると、5巡目に鳥井さんからダブ南暗刻二五八待ちリーチ。この点棒状況になってしまうと、決着巡目が遅くなってくれないとどうにもならない。

一発で後藤さんから8000点。三面張とはいえ枚数は単純両面より少ない待ちで、役ありリーチした鳥井さんがすごいと思う。この点棒で1段目はリーチの方が期待値が高いのかも?

南3局0本場

6巡目でドラも見切ってメンホンまっしぐら。残りの役牌も枯れてない。

しかし鳥井さんが止まらない。9巡目リーチ。

リーチ一発ツモ断幺九平和一盃口裏裏の8000オール。……暴力反対!
一瞬心が揺れそうになったが、2着目との点差が変わらない&局数が減らない和了なんだと自分に言い聞かせた。

南3局1本場

配牌。この手で狙えるのはリーチツモ三色くらいか。

6巡目で蒼井さんに1000は1300放銃。
私は親番に全てを託した。

南4局0本場

連荘あるのみ。断幺九が濃く見える好配牌。ドラが使いやすい3sなのも嬉しい。
この局を流されないために、役牌から切り出していく。

鳥井さんが上家から9sを両面でチー。勝ち上がりポジションのふたりが上家下家の関係で結託してくる。鳥井さんがテンパイする前に、一巡でも早く、リーチと言いたい。

高め678三色のテンパイを入れることができた。リーチ。
しかしツモれない。安目でもいいから親番で一度くらい和了らせてくれ…

南4局1本場

ドラ7pも受け入れられる悪くない配牌。

しかし1000点和了るだけでいい鳥井さんにしっかり役アリドラ3の手が入る。8000点横移動で終局。

少なくとも今の私の雀力では太刀打ちできない半荘だった。悔しくてインタビューで泣きそうになったが、勝ち上がった鳥井さんと蒼井さんが上手かった。

さいごに

あのツイートから、私にはこの最強戦で勝ち抜くこと以外に2つ目標を立てました。

1つめは、#麻雀最強戦2022 と #女流プロ最強新世代 のハッシュタグを出場者8人で誰よりも使うこと。

2つめは、結果以外の何かで視聴者の方に印象を残すこと。

私は決して特別な美人でも才能があるわけでもなくて、その中で麻雀プロとして認められるためにできることはもっともっとあったんだということを、今回の最強戦で学びました。服装も振り切って、麻雀も攻め続けて、「今回初めて対局を観てファンになった」と言ってくださった方が何人もいらっしゃって、すごく嬉しかったです。

結果は残念でしたが、私にとって大きな大きな経験になりました。いつかまたこういう舞台に立って、もっと良い麻雀を見せられるように努力します。これからもどうぞ高津柚那を応援よろしくお願いいたします!

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