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いつもの

どこか聞かなくても分かるいつものとこ。食べたいものの気分が被っちゃうとこ。ビールは太るって言いながらの2杯目。聞いてもないのに話してくれる君の家族と友達のこと。行き来したのは数回なのに何故か覚えてる恒例の"バンズの箱"の話。お腹いっぱいなのに調子乗ってシメようとするとこ。食べきれんくせに頼むなよって笑い合うお決まりのやりとり。代わりにすっかり覚えちゃった君の嫌いな食べ物。飲み終わりのセブンへの寄り道。タバコをひとつずつと、一服ずつ。いつも言わないくせに、今日だけ遠回りして帰りたいとか急に言っちゃうずるいとこ。してあげないけど。いつもの場所も、いつもの他愛もないことも、いつものずるい君も、気付けば全部わたしの「いつも」になってたんだなってことに気付いて、そっか、そんなに好きだったんだなあ、と思った4ヶ月ぶりに会ったいつもの君と、いつも通りに振る舞う私の話。

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