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「独裁者の妻たち:イメルダ夫人」

原題 Despot Housewives The Big Spenders
製作国 フランス
製作年 2015

“三千足の靴を持つ女”マルコス元大統領夫人。フィリピンの豪邸に暮らし、現役の政治家として復権を図るイメルダ氏に独占取材。他の“浪費家”の妻たちの例にも絶句!
世界各国の独裁者の妻たちの人物像を描くシリーズからの1本。中央アフリカやハイチ、チュニジアで、浪費や“資産隠し”を問われたファーストレディーたちの“高慢と見栄”を掘り下げる。圧巻は、イメルダ・マルコス。独自外交で毛沢東やカストロとも会談した“鋼鉄の蝶”は、1986年に国を追われたが、取材班をミケランジェロやピカソが並ぶマニラの自宅に招待。「醜いことは罪」「人々にはスターが必要」とイメルダ節全開で語る。
(BS世界のドキュメンタリー)

独裁者の妻に焦点を当てるというその視点が面白い。
政権にある時は独裁者とその妻を利用し、亡命後も支援を続ける西側諸国への批判も忘れない。

イメルダ夫人は顔を出して自宅(?)でインタビューに答えている。自分では貧しいといいながら、ダイヤの指輪に壁にはゴヤ、ピカソ、ミケランジェロなど西洋絵画。それを悪びれもせずカメラに見せる。
以前に見たがイメルダ夫人は未だに国民から人気があるという。地位を登り詰めた者への憧れだそうだが、彼女自身もそれを認識しているようだ。自分のようなお手本が必要なのだと言っていた。

日本語タイトルにはイメルダ夫人とあるが、他の独裁者の妻たちも紹介される。他に紹介されていたのは主に以下。

中央アフリカ ボカサ大統領(妻の数17人)
ハイチ ジャン=クロード・デュバリエ大統領の妻ミシェル
ザイール(旧コンゴ民主共和国)  モブツ大統領の妻ボビ・ラダワとその双子の妹(モブツは2人を妻とした)
チュニジア ベン・アリ大統領の妻レイラ

むりやり妻にさせられた人もあれば、貧しい暮らしから権力者の妻という地位まで登り詰めた人もいる。
共通するのは妻たちのしたたかさ。独裁者が権力を失い、貧困のもとに亡くなっても妻たちは優雅な暮らしを送り続けている。
彼女たちは誇大妄想へに取り憑かれているのか、はたまた人を人とも思っていないのだろうか...



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