読書記録「楡家の人びと 第二部」北杜夫著
新潮文庫
2011
時は過ぎ、話の中心は楡基一郎とその子どもたちから孫たちへと移っていく第二部。
時代は昭和。戦争へと向かっていく時代なのだが、子どもたちにはまだその実感がなく、最後の楽しい時代、といったふう。彼らの面倒を見てくれていた書生の佐原定一は真っ先に戦争へ向かいそして死んでしまうのだが、子どもたちはまだそれを知らない。
病院のほうはというと、基一郎の案で松原に新たに建設した病院は規模も大きくなっていく一方で、院長の徹吉の残る青山の病院は赤字続き。院代の勝俣は基一郎