読書記録「チボー家の人々 1914年夏 III」ロジェ・マルタン・デュ・ガール著
山内義雄訳
白水uブックス
1984
ジャックがメネストレルの指令でベルリンに赴くところから。
電車の中での会話からドイツ側からの見方が読者に提示されるのは見事だ。
アントワーヌがフランスは平和主義だと思っているのと同じように、ドイツも自分たちの国は平和主義だと思っている。
ジャックの任務は受け取った書類をメネストレルのもとへ運ぶこと。
書類を盗み出す場面はちょっとスパイ小説っぽい。
ジャックの気持ちの中では書類を盗む行為への違和感と、危険な任務でなくてほっとした気持ち、