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読書メモ

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読書記録のまとめ。
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#街道をゆく

読書記録「街道をゆく 十津川街道」司馬遼太郎著

朝日文庫 2008 朝日文庫の新装版。 十津川街道が週刊朝日で連載されたのが1977年。 NHKの1999年の番組を見た後に読み始めた。 奈良といってもかなり南の山の方で、独自の文化を持っているという漠然としたイメージの十津川村。 改めて地図で見ると自分が思っていたよりずっと南のほうだった。 坂本龍馬の暗殺者が十津川郷の者だと名乗ったというエピソードから始まる十津川街道。 このエピソードだけで読者の興味は十津川にぐっと持っていかれる。 用心しているはずの者をも安心させ

読書記録「街道をゆく 越前の諸道」司馬遼太郎著

朝日文庫 1987 街道をゆくの中で唯一、天皇について触れている(といっても継体天皇)のが"越前の諸道"だと知り、興味が湧いた。 また、永平寺に行きたいなと思っているところでもあった。 ここでも司馬の高度経済成長の日本への幻滅が感じられる。 永平寺には一応訪れたもののすぐに退散している。 道元が晩年につくったのが永平寺。永平寺の俗化は道元の死後、第三世徹通義介から始まるとされる。義介は、宋に倣って永平寺も大伽藍にすべきだとして、大伽藍とその経営方法を学ぶ為に宋で学んだ人

読書記録「街道をゆく 近江・奈良散歩」司馬遼太郎著

朝日文庫 1988 以前に奈良を訪れた際、寄ったカフェに置いてあった一冊。 この一節を読んだあと、さっき訪れたばかりの二月堂に歩いて戻った。 お水取りについても記述がある。 こんな独自のものをやっている東大寺の宗派は何だろうかなどと、正直今まで考えたこともなかった。 縁のあった人の名前を読み上げていく“過去帳”の名前を辿るだけでもこんなに面白いとは。 同様に不思議な存在なのが興福寺。 中金堂が出来る前は塔が建っていて、ちょっと離れたところに南円堂があって、どれがいった