恥ずかしいという感情はなんの為に生まれたんだろうね。
過去の言動や行動をふとした瞬間に思い出して「ひゃー恥ずかぴ〜!」と言いながらベッドにダイブして、恥ずかしさを誤魔化すために布団を強く顔面に押し付けたことは誰にでもあるかと思う。
かくいう僕も先ほど恥ずかしさのあまり布団を顔面に押し付けすぎた結果、窒息死したので皆さんも気をつけて欲しい。(この文章は三途の川に飛んでる無料Wi-Fiでアップロードしています)
本題に入る前に一旦その恥ずかしい体験を思い出すに至った経緯を説明させて下さい。
まずは会社で飲み物を貰ったことが全ての元凶となった。
納入用のダンボールごと!
こちらが何と合計20本。貰ったのが5月26日で賞味期限は6月2日だ。8日で20本。一人暮らし。つまり1日2.5本飲めば、みごと壁クリアでーす。だ。
そして厄介なことにこの飲み物の味があずき味だったのである。飲み物の味があずき味だったのであーる。普通この量消費するんならオーソドックスな味じゃないと無理じゃない?
突然天使が現れて「今後一生あなたは焼き肉で同じ部位しか食べられません。」って言われたら、悩んでカルビとかにすんじゃん。普通は飽きの来ないオーソドックスな味選択すんじゃん。「いやー僕はやっぱコブクロっすねー!」とはならないじゃん。そういうことなのよ。
しかしながらタダで渡された以上はありがたく頂戴するのが大人としてのスマートな振舞いかと思うので火曜〜金曜までの4日間で結構頑張って飲んだ。その数実に6本。
あと4日で!
残り14本!
1日3.5本ずつ!
無理じゃん!!!!1
おかげさまで寝ても覚めてもあずきと一緒の生活を送っている気分になるわけ。その昔「私の血はワインで出来ている」と言った女優さんがいたけれど、全てを飲み終えた頃には僕の血液はあずきで出来でいることになるだろう。(体重65キロ✕血液量1/13=5キロ≒1本の内容量240ml✕20本)
そして本題となる過去にあった恥ずかしい話だけれど、これだけ常にあずきについて考える生活を送ると、自然とあずきちゃんについて思いを馳せることになる。あずきちゃんとは、その昔NHKで放送されていたおもしろアニメだ。当時小学生だった僕も「飛べ!イサミ」→「あずきちゃん」のゴールデンルートで土曜日の18時台を過ごしていた為たいへん思い入れの深い作品である。(ちなみに同じ時間帯に放送されていた「とんでぶーりん」はフラフープを飛んで豚に変身することしか知らない)
思い入れが深いことを示すエピソードとして、友人同士での会話で「何言ってんだよ!」と返す機会があった場合に「んも〜う!ジダマ〜!」と返していた過去がある。(これも冷静に考えると恥ずかぴ〜!)
数ヶ月前に会社の後輩とガールズバーへ行った際に後輩との年代の差を埋める為、知っているアニメについて話していた。その中で後輩にあずきちゃんを知っているか尋ねたがピンと来ていない表情をされたため「なんでもな〜い なんでもな〜い恋の魔法で♪知らん?」と振付けを踊りながら話した。
参考gif
生来お酒を苦手とする僕は、一人だけシラフだったが、この振付けを真顔で演じたのだった。そうしてその瞬間爆笑される自分がいた。人生で10回は「なんでもな〜い なんでもな〜い♪」と振付けを踊りながら歌ったが、これだけ笑われたのは初めての経験だった。
昔、海外ドラマで0.2秒以下の瞬間的に現れる微表情を読み取ることで相手の心理が分かる特技を用いて様々な事件を解決する「ライ・トゥー・ミー」というドラマがあった。この微表情学を学んでいたら、その道で名を馳せていたかもしれなかった人の機微を察知する能力に長けた僕が、その時の後輩の心を読み解いてみたところ「えっ、オッサンがよくシラフでそんな恥ずかしい振付けを真顔で踊れますね!」だった。
こうなると今までの人生では、この動きに対する羞恥心は持ち合わせていなかったにもかかわらず、途端に恥ずかしくなった。
そうか。人とは他人からの視線によって恥ずかしいという感情をアップデートしてきたのだろう。
猿から進化した人類は最初は全裸で過ごしていたが次第に性器を布などで隠すようになり、やがて服を身に纏うようになり裸を他人に見せることを恥ずかしいものとして考えるようになってきた。
それと同じくあずきちゃんの「なんでもな〜い なんでもな〜い♪」の振付けを恥ずかしいものと感じていなかった僕はこの出来事をキッカケにして、いい歳をしたオッサンが「なんでもな〜い なんでもな〜い♪」と踊るのはとても恥ずかしいことなのという価値観にアップデートされてしまった。
人類の感情面での進化過程の一端に少し触れたような気がして、なんだかちょっと嬉しくなった。嬉しいような恥ずかしいような変な気分になっちゃった。これが恋って、やつ?
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