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逸材 #9

大谷翔平の2021年シーズンが幕を閉じた。

正真正銘の二刀流として、野球ファンのみならず、日本中、そしてアメリカ中を席巻するほどのスタッツを残した。
ここで、開幕前予想と前半戦の活躍ぶりを踏まえての修正版を振り返りながら、投手・大谷翔平と打者・大谷翔平の2つに分けて、2021年シーズンの数字を見てみよう。

前半は、投手・大谷翔平のスタッツである。

【2021年 スタッツ
投手:23試合 130.1回 156奪三振 防御率 3.18 44四球
【Yusuge予想 開幕前】
投手:27試合 148回 180奪三振
【Yusuge予想 6/20修正】
投手:26試合 140回 190奪三振 防御率 2.56 54四球

本格的な投手復帰1年目として、ほぼ年間通してローテーションを守り、エース級の活躍を見せた。
先発登板数は若干物足らない印象であるが、平均イニング数は5.2回と予想を少し上回った。
中盤から後半にかけてコントロール重視の配球によって、四球が減少したことが大きな要因である。

ここで、エース級の活躍を示す3つの数字を見てみる。

①3.55
これはK / BB(四球一つあたりの奪三振数)を示しており、3.50を超えると優秀とされる。
つまり、奪三振数を増やす、四球数を抑制、あるいはこれらを両立することによって、K / BBを向上することができる。
投手・大谷翔平の場合、奪三振数のペースは若干停滞したものも、四球数を飛躍的に抑制したことにより、優秀とされる数値を越えることができた。

②1.09
これはWHIP(1イニングあたりの被走者)を示しており、1.00(1イニングに1人走者を出す)未満であれば優秀とされる。
つまり、いかにランナーを出していないのかを示す指標である。

投手・大谷翔平の場合、もともと被打率が低かった(.207)上に、四球数を飛躍的に抑制したことにより、極めて1.00に近い値をマークした。

③.087
これはスプリットにおける被打率を示している。
スプリットの投球割合は全投球の18.3%を占めており、被打率の低さもさることながら、一本もホームランを許さない無双ぶりであった。
また、スプリットで77個の三振を奪っており、これは2021年シーズンにおける奪三振数の約半分に相当する。

しかし、スプリットは諸刃の刃で、中盤以降はスプリットの多投によるマメを避けるために、基本的にはスライダーやカッター中心の省エネの投球スタイルにシフトした。
実際に6月17日から9月10日までの12試合におけるスプリットの投球割合は、開幕9試合時の21.0%から11.5%に低下している。
しかし、ラスト2試合におけるスプリットの投球割合はそれぞれ52.8%、31.3%であった。

さらなる高みにのぼるために、年間通してスプリットの投球割合を20-35%台でキープできるかどうか鍵を握ると考える。
要するに、中盤に見せた省エネ投球と、ここぞの場面で三振を狙いにいく投球のハイブリッド型である。
ラスト2試合をみる限り、これまでのように四球で大崩れする気配は見られないので、このハイブリッド型をシーズン通して実現すれば、160イニング以上、防御率2点台前半、WHIP1未満、奪三振数200以上も夢ではないだろう。

明日は、打者・大谷翔平について振り返る。

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