「妖なオレの幼馴染たち」企画書
タイトル:妖なオレの幼馴染たち。
【キャッチコピー】
妖になったとしても、オレにとったら何も変わらない。
【あらすじ】
海斗が小学五年の夏。
季節外れの奇妙な雪が世界に降り注いだ。
薄く赤い桜のようでもあり、血にも似たその雪に触れた人間は、妖となった。
その数は世界の半数以上にものぼり、人間と妖の比率は完全におかしなものとなる。
しかも妖となったショックから錯乱状態の妖と、人との間で争いが起こった。
それは五年にもわたり、和平にこぎ着けた時には互いにその数を減らし、疲弊していた。そこで人と妖は元の平和と、人口増加のためにある取り組みを試みる。
それは人と妖が共同生活を行う、全寮制の学園だった。
かつて幼馴染であり、妖になった彼女たちとその学園で再会した海斗は、人と妖の壁を越えて行くーー
【第1話のストーリー】
学校の帰り道、その日は良く晴れた晴天だった。どこまでも空は高く、道路には陽炎が揺れ、汗が流れた。
しかし海斗が上を見上げた瞬間、空から何かが降ってくるのが見えた。
どこかゾワリとした感覚に、海斗は急いで軒下に走り出す。
「なんで雪? え?」
見れば降っていたのは、雪だった。
でも今の季節は夏。その雪は桜の花びらのようでもあり、やや薄く赤みがった様は血のようでもあった。
「何これー?」
はしゃぐように、自分の後ろを歩いていた鏡花が空を見上げながらその雪に触れていた。
そして他の人たちも、その不思議な現象にカメラを向けたりと楽しんでいるようだった。
「鏡花、やめろよ」
「えー、なんで? 海斗も触ればいいのに。怖がりだねー。大丈夫だよ。でも変なの。この雪、冷たくない」
そんな鏡花をよそに、海斗は動悸と気味の悪さが体の中を駆け抜けていた。それは本能的な拒絶だったのかもしれない。
ただ海斗の静止を聞く者は誰一人いなかった。そして急に辺りが暗くなったかと思うと、雪に触れていた人たちが苦しみ始める。
「鏡花!」
海斗はその様子を見守ることしか出来なかった。
その日、世界の三分の二の人間がその雪のようなモノに触れ、人ではなくなった。
【第2話以降のストーリー】
災厄の日から五年経った。
あの日から人と妖との争いが起こり、人口は双方ともにかなりの数を減らした。そして数か月前にやっと結ばれた和平。
その一つ目の事業として、人と妖が共に通う全寮制の学園が創設された。
そこに選ばれた海斗。
なぜ自分がとの思いは、幼馴染たちとの再会で消え去った。
初めは人である海斗を警戒する幼馴染たち。
しかし昔と変わらず、人と妖とを差別も区別もしない海斗に彼女たちは心を開いていく。
ただそれでもなお妖への偏見は強く、一緒にいるだけで海斗が自分たちと同じように偏見の眼で見られることにも苦悩する。
自分の思いを貫くか、それとも身を引くか。
海斗は、妖になったこと自体が不可抗力でしかなく、たとえ妖に変わったとしてもオレにとってはみんな大切な幼馴染だと告げた。
そして今まで助けれなかったことを謝りながら、この先はずっと一緒にいたいと。
海斗は誰を選ぶのか。幼馴染たちの恋心は加速していく。
【登場人物】
海斗(16)
めんどくさがり屋だが、曲がったことは嫌い。あまりパッとしない人間。 ただ、人と妖を区別も差別もしない。
鏡花(16)
海斗とは保育園の頃からの幼馴染。ムードメーカーで正義感が強いが、空回りしがち。猫の妖。
雪乃(16)
物静かな性格。海斗とは小学校からの幼馴染。自分たちを差別してきた人が嫌い。狐の妖。
香純(16)
愛情表現がストレートな性格で、愛されたい感が強い。小学校からの幼馴染。鬼の妖。
莉々(14)
飛び級でこの学園にやってきた、海斗の妹的存在。過去、海斗の隣の家に住んでいて兄と慕う。犬の妖。
瑠衣(28)
このクラスの担任。海斗の親戚。今回のこの学園計画を立てた計画者の娘でもある。八尺サマ。
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