#4 数学を学ぶ意味

私は数学の教員を目指しているのですが、たびたび聞かれることがあります。それは、

「数学ってなんで勉強するの?」

ということです。


確かに、中学や高校において学ぶ数学の公式や定理などを日常生活で使うことはあまりありません。
他の科目でも学ばないこともありますが、漢字や文章力を養う国語、異国の人との最低限のコミュニケーションツールを身に着ける英語、といったように日常生活にすぐに役立ちそうと感じる科目はたくさんあります。

足し引きかけ割りを学習する算数だけで事足りそうな中、数学はなぜ学ぶのでしょうか。

正解はないと思いますが、アウトプットがてら、私なりの考えをここに記したいと思います。


一番は「論理的思考を身に着けるため」だと思います。

論理的思考とは、物事を結論と根拠に分け、その論理的つながりを捉えながら物事を理解する思考です。

といっても、わかりにくいですね。

私の頭の中のイメージは、階段を上っていくようなイメージです。

1階がスタート地点とすると、ゴールはそれより上階にあります。
問題の難易度や思考する回数によって、2階だったり、もしかすると10階だったりするかもしれません。

ゴールの場所へ、いきなりジャンプしていくことはできませんよね。
階段を上って、少しづつ近づいていきます。

数学の問題には何かしらの条件が与えらている場合がほとんどです。
その条件を利用して、階段を作り上げ、ゴールとなる結論へと向かいます。

ゴールとなる結論へ向かうためには、別の条件を新たに発見しないといけないかもしれません。その新たな発見が途中の階というイメージです。

小学校で学ぶ内容は、階段を作るための道具です。

中学校から階段を上る練習を始めます。

高校や大学になると、結論に至るまでに他のことを導かなければならない問題が多くあります。それだけ階数が上がっているということです。


といったように、「○○だから△△になる」という思考が論理的思考だと思います。

この力が備わると、物事の根拠を成就に見つけられるようになり、説得力の増す考え、発言ができるようになります。
物事を逆算的に見ることもできるようになります。


数学は、三角形の面積を求めたり、関数のグラフから変化の割合を求めたりするために学ぶのではなく(もちろんそれが社会に出て役立つ場面もあるかとは思いますが)、根拠を見つける力、根拠と結論のつながりを考える力を養うために学ぶのだと私は思います。


少し、堅い話でしたが、ここまで読んでくださり、ありがとうございました!


柚。


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