見積書・契約書・納品書・請求書について初心者フリーランスがまとめてみた

# はじめに

週末フリーランスを始めると、最初は混乱しやすいのが「見積書」「契約書」「納品書」「請求書」です。
どういう流れでそれぞれの書類が必要になるのか、どういった点に注意すれば良いのか、筆者の経験をもとにまとめました。

# ※免責

実務に際してはあくまで参考情報の一つとしてご活用ください。
本投稿を参考にして生じたいかなる損害に対しても執筆者は責任を負いかねます。
内容について誤りを見つけた方がいましたらお手数ですがご連絡いただけますと幸いです。

# 見積書

案件を受注するに当たって、最初に使うのが見積書です。
フリーランスからクライアントに対して出す書類です。
「この案件をやるならこの価格になりますよ」という見積りです。

クライアントとなる企業は、その見積書をもとにして発注します。
発注の際に「こういう価格になりそうです」と担当者が社内稟議を上げます。
責任者が見積書をチェックして承認します。
大企業であれば初の取引相手は社内システムに登録・審査する業務もあります。

そのため見積書には関係者が分かる案件名や内訳を明記しましょう。
また、後からトラブルにならないように、交通費や消費税の取り扱い、見積書の有効期限についても明記しましょう。
フリーランスが見積もるのですから、クライアントの担当者に任せるのではなく、フリーランス側が責任を持って作成・確認しましょう。
通し番号もクライアント企業ではなくフリーランス側にとっての通し番号となります。

# 契約書

「案件を受注します」「案件を発注します」と取り決めるのが契約書です。
フリーランスと企業が互いに交わす書類です。
契約を交わしたのちに、案件に取り掛かります。

見積書・納品書・請求書についてはPDFファイルでOKとしている企業もありますが、契約書は未だに紙で交わすのが一般的です。
原本は2通で、割印の後、フリーランスとクライアント企業がそれぞれ保管します。

契約書とは別に秘密保持契約(NDA)だけ先んじて交わす場合もあります。
ヒアリングをしないと見積もりを始められないケースがあるからです。

秘密保持に関して注意したいのが「クライアントの同意があれば対外的に実績をPRできる」契約になっているかという点です。
フリーランスとして次の仕事に繋げるためにも実績をPRしていきたいものです。
また、完全NGの契約を結んでしまうと、むしろクライアントにとっても損失となる可能性があります。
「こういう案件があるよ」と優秀なフリーランス仲間を紹介したり、「自分も関わっているサービスなのでぜひ使ってください」といったSNSでの宣伝ができないからです。

同様に、成果物・期間・金額について、不当な条件が設定されていないか確認しましょう。
いざというときに安全に契約解除できる内容であることを確認しましょう。
法的効力を持つ契約ですので、自分の身を守るためにも、確実に約束できる内容となるよう調整しましょう。
初期段階では努力目標を契約には含めず、最初の案件を終えてから別案件としてアドオンで契約しましょう。

# 納品書

案件を実施した後、成果物の納品を伝えるのが納品書です。
目に見えるモノでなくとも「こういうサービスを提供しました」とシンプルな書面で伝えることもあります。

少額のサービス業務であれば納品書を求めない企業も多いです。
しかし、後から「納品した」「納品していない」といったトラブルが起きるケースもあります。
念のために納品書をメールで送っていると身を守る手段にもなります。

見積書と同じくフリーランスからクライアントに対して納品を伝える書類です。
フリーランスが責任を持って、いつ何を納品したのか、関係者に分かるように明記しましょう。

# 請求書

仕事を完遂したので振り込みをお願いします、と伝えるのが請求書です。
見積書・納品書と同じく、フリーランスからクライアントに対して請求する書類です。

多くのケースでは月末締め・翌月末払いとなります。
8月に納品したら、8月末までに請求して、9月末までに報酬が振り込まれます。

納品・請求のタイミングがズレてしまうと、会計処理が複雑になってしまうので注意しましょう。
フリーランスの場合は、確定申告の対象期間となる12月・1月を跨がないように、確認すると良いと思います。
クライアント企業に対しても、各企業が定める期末に差し掛からないかどうか、心配りがあると丁寧ですね。

# おわりに

このように案件と書類の流れを抑えると理解しやすいと思います。
実際に経験してみるのが一番の近道ですので、ぜひ週末フリーランス活動にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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