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読書記録

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読んだ本の記録です。
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2020年6月の記事一覧

【読書記録】長いお別れ

レイモンド・チャンドラーについては、村上春樹が好んでいる作家と言うくらいの認識しかなく、この『長いお別れ』(とても良いタイトルだと思う)もタイトルだけを知っていると言う風だった。私は推理小説やミステリー小説はほとんど読まない。でも、「シャーロック・ホームズ」や江戸川乱歩の小説を読むのは好きなので、嫌いな訳ではないのだろうと思う。単に興味があまり向かないだけだ。 とても面白く読んだし、マーロウは魅力的な人物だし、「ハードボイルド」と言うものにどうして惹かれるんだろうと、読みな

【読書記録】発光

この本が気になったのは本のタイトルからだった。吉原幸子さんの「発光」と言う詩が私はとても好きで、だから同じタイトルのこの本が気になったのだった。それと装丁のシンプルさにも惹かれた。実際に手に取ってみて、本自体が発光していることに小さな驚きと、何故だかは分からないけれども胸をくすぐられるような喜びとを感じた。文庫本サイズの大きさも良かった。「ハツカネズミの背中」と同じだった。発光している。小さきものから発光している。 本を、本でなくても一行の文章を、読む前と読む後とでは世界が