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【名盤チェック】#5 ASIAN KUNG-FU GENERATION: ワールド ワールド ワールド (2008)

どうも、yuzuramenですよ。

タイトル通り名盤を一つ一つ聴きながらレビューし、自分の中の音楽の価値観を広げていこうという企画です。

聴くアルバムの基準ですが、かれこれ5年以上視聴している「み○ミュージック」様のアルバムランキングを参考に、邦・洋楽問わずトップ50辺りに入っているものを適当に選びます。その中でも、僕が今までマニアになったアーティストが好んで聴いていたものを選ぶ傾向にあると思うので、ご了承を。

5回目はASIAN KUNG-FU GENERATIONの「ワールド ワールド ワールド (2008)」でございます。僕が生まれた後の作品は初めてのレビュー。

いろいろ概要

伊地知潔 (Dr), 後藤正文 (Vo,G), 山田貴洋 (Ba), 喜多建介 (G)

1996年結成・2003年デビュー、横浜市金沢区出身の4人組バンド。2ndアルバム「ソルファ」で早くもオリコン1位を獲得し、その後もシンプルでありながら独特なリズム感やギターサウンド、文学的な歌詞初期の陰キャ医大生のような見た目も武器に、2000年代以降において最も愛される邦ロックバンドの一組として降臨していると認識しています。ジャケットも独自性があって一発で分かりますよね。
近年ではアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」に全員がモデルとして聖地やキャラ名等が選ばれ、最終回EDに本作収録曲でもある「転がる岩、君に朝が降る」が使用されたことでも一躍注目を浴びました。

僕自身は世代でもないのでアジカンとの接点は何も無いんですが、何処かで名前だけは把握していたので「リライト」だけは遠い昔に聴いた記憶があります。その後ぼざろでぼっちが歌う「転がる岩~」を聴き「何だこの哀愁一杯の名曲は…」となり、本作を視聴するに至りました。
因みにこのレビュー関係なく、大名盤として知られる「ソルファ」は数ヶ月前に一通り聴きました。特に「ラストシーン」「ループ&ループ」辺りかなり良いですね。

本作は一般的にソルファの次か、最高傑作として挙げられるようですのでとても楽しみです。

アルバムの感想

という訳で聴きましたが、この流れで聴いて初めて完成するアルバムだなと思いました。

まぁ殆どは想像した通りのアジカンのサウンドだったんですが、シングル曲はそれぞれ違う色があるもののアルバム曲は(たまに「惑星」みたいに至高でキャッチーなものがあるが)哀愁ロックのテイストにあまり違いが無く、ぶっちゃけ中盤「なんか全部同じでつまらんな…」等と思いもしました。アジカン独特のリズムや曲構成も、何曲か経つと予想出来てしまうというか...。

これは決して個々の曲に良い点が無いわけでは無く、(メロディはあまり刺さらんけど)曲自体の完成度は高いが変化が少なくて楽しみきれない、といった考えなのでアルバム全体での評価は凄まじい完成度の「ソルファ」には勝るとも劣らないでしょう。

ただ3~4周して細かい特徴を探るのを止めてみると、良くも悪くも統一されているので「雰囲気に浸ることを目的にするなら悪くない」と感じ始めましたね。そして更に何周しても飽きない、不思議な魅力がありますね。

曲ごとの感想

1.ワールド ワールド
怪しげながらも切ないアルペジオから始まり、途中一気にハードになり本作の幕開けを告げます。完璧。

2.アフターダーク
BLEACHのOPだったらしいシングル曲。スピード感溢れるドラムや切り裂くようなギターのイントロでもう興奮したところ、サビメロの圧倒的な開放感に打ちのめされました。好きな曲ランキングだったら本作で2番目ですね。

3.旅立つ君へ
一気にコードが明るくなりメロコアに。後半に落ち着きを取り戻し次曲に繋がる部分は好きですが、それ以外は正直印象に残らず…。

4.ネオテニー
Aメロの韻の踏み方とか2回繰り返される後半のサビとか好みなんですが、雰囲気があまり前曲と変わらずちと微妙ですかね。

5.トラべログ
間奏のギターリフ~Cメロの流れが好き。それ以外はぶっちゃけ新鮮さが無かったです。

6.No.9
トラべログよりはサビメロが印象に残りました。4ビート風になるCメロも好きですが、全体で見るとあまり面白さは無かったり。
散々微妙って言ってますが、別に曲として評価が低い訳じゃないですよ。特筆することが無いだけなので…。

7.ナイトダイビング
ギターの喜多が途中ボーカルを取っていますが、驚くほど自然に後藤とハモっているのでとても良いスパイスになっていますね。他は流れを断ち切る静かなイントロやAメロの山口一郎みたいな歌い方が良い所。後は気にならなかったです。

8.ライカ
いつも通りの悲しげなイントロで「またか…」とはなりましたが、一気に空が開けるようなAメロで安心。ですがサビが思ったより高揚しなかったので大好きにはなりきれなかったですかね。

9.惑星
再びテンポ爆速に。今までは何処か盛り上がり切らない部分があったんですが、この曲はサビメロのキャッチーさは勿論、語感ぴったりのCメロや。大好きです。

10.転がる岩、君に朝が降る
待ちに待った本曲。最大のポイントは一発で掴まれるイントロのアルペジオと分かり易くも切ない雰囲気に溢れるサビメロですね。数あるアジカンの曲群の中からこれをEDに選びぼっちに歌わせた運営のセンスは恐るべし。
こうしてアルバムの流れで見ると、意外とこの曲のようなミドルテンポのシンプルな哀愁ロックは結構浮いてますね。ただ間違いなく本作でダントツで一番好きです。

11.ワールド ワールド ワールド
メトロノームに合わせた後藤の短い弾き語り。個人的には英語詞が最後に出てきたのが少しサプライズ。

12.或る街の群青
シングル曲。序盤は驚くほど静かですが、Aメロが1フレーズ終わるといつものテイストに。徹頭徹尾暗めで通すムードやそれを引き立てるラストサビとアウトロは好物です。「エモい」とはまさにこのことでしょう。

13.新しい世界
最後で一気に激しさを取り戻しましたね。大団円に相応しい、悲しいながらも次へ向かう先を告げるような高揚感一杯のサビメロが刺さりました。結構好き。

まとめ

良い所も悪い所も大きく分かれますが、前述した通りアルバムとしての流れはまるでジェットコースターのように感情が揺さぶられ、また自然に最後着地するようでとても心地良いですね。それぞれの曲の魅力は他に僕が好きな邦ロックバンドに比べると欠きますが、一つの作品では以前のアジカン以上の完成度を誇ると思います。稚拙な文章で魅力が全然伝わっていないかもしれないですが本当に申し訳ありません。
「ファンクラブ」など更に色んな作品に触れてみようとも決めました。終わり。

評価: ★★★☆☆

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