向上心を煽る世界が嫌いだ

向上心を持つことは、一般的に世間では評価されるし、持つべきものだと思われていると思う。

向上心を持っていないと発言すれば、怪訝な顔をされるし、実際私も職場の上司やお偉い方々には向上心がないなんて発言はできないと思う。

しかし、私は向上心がない。ないというか、ないふりをしている。それはなぜかといえば、向上心は自分も他人も傷つけるものだと考えているからだ。

そもそも向上心とはどういう意味なのか、この記事を書くにあたって調べてみた。

以下が引用である。

”現在の状態に満足せず、よりすぐれたもの、より高いものを目ざして努力する心。”

という意味らしい。ここの意味には明確には書かれていないが向上心を持っている人のほとんどは過去の自分というより他人より優れた存在になりたいと思っているのではないかと思う。私が向上心を持って物事に取り組んでいた時は、すくなくともそう思っていたし、やはり会社で働くことにおいても他人よりいい成績を収めることが評価につながっている。

ただ、この向上心というものはやっかいで、他人より優れることを目的として努力したのに上手くいかなかったとき、相当にメンタルに響く。むしろ努力すればするほど、自分は他人より優れた存在にはなれないという現実を痛いくらいに突き付けられる。私はそれで何度も苦しい思いをしたことがあるし、とても傷ついていた。もう向上心を持つのも疲れてしまったのだ。

だから今は自分には向上心がないフリをしている。そうすると気持ちが落ち着くし、激しい感情に振り回されたりもせず、傷もつかない。

また、これは偏見だと思うが、向上心がある人間というのは自分が高い位置に上ることで他人を見下したいと思っているのではないかと思っている。そして見下された誰かが傷つくのだ。

こういうわけで向上心とは自分も他人も傷つけると思っている。

だから軽々しく向上心を持てと言われると、嫌悪感でいっぱいになる。今まで向上心を持っているときにつらい思いをしたことがないのだろうかと思う。それとも、辛くても上を目指すことが素晴らしいとでも思っているのだろうか。そもそも盲目的に上を目指すことが素晴らしいと思っていることも私には理解できない。

向上心なんかなくなればいいのに。

以上




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