テキトーを重視してーーーーーーーーー47
「わーい、とりあえずわーい!」
と星乃は楽しそうな遊具を前にはしゃいだ。
「あっ、過去編でーす」
と言うユマ•ヌイの声がするが、気のせいとして。。。
今は、楽しい楽しい旅行の最後の場所、公園。星乃は滑り台に乗ると、
「お兄ちゃん!一緒に滑ろ!」
といった。えぇ、、、星乃は小学三年生だとしても、おれは今年で中学生だしな。。。そんなにはしゃげる年じゃ、、、無いんだよなぁ。でも、大事な妹の願いだ、断るわけにもいかない。
おれは滑り台に上り、滑ろうとした。でも星乃は、おれが滑る前に滑ってしまった。そしてからかうように笑って、
「鬼さんこちら^^」
といった。おれは競争心に火がつけられた。そしてすぐに滑り台を滑ると、星乃を追いかけた。おれは走った。
車道に飛び出てしまった。そのまま戻ったらよかった。けど、思うように足にブレーキが出来ない。
運悪くその時、車がクラクションを鳴らしながらやって来た。おれは思わず車の方を見る。なんでこんなところでブレーキが踏めるようになったんだ。おれの体は恐怖で動かなかった。点灯する車の目みたいなところ。おれが最後に見る景色は、こんなものなのか。。。そう思ってゆっくり目をつむったその時。
「お兄ちゃんっ、危ない!」
おれに気付いた星乃が車道側へとやってくる。
「来るなっ!おれは大丈夫だ!」
最後ぐらい、カッコつけさせてくれよ。妹を守った、カッコイイお兄ちゃんって言う称号をくれよ。星乃はおれの事を車の前から押し出し、自分も公園に戻った。おれ達は、無事轢かれずに済んだのだった。
公園に戻ると、星乃が
「人に自分の生きた証を押し付けるなっ!自分で作れ!私は背負えるほど、強くないんだから!」
と珍しく、荒い口調で言った。でも、そうだよな、、、おれはシュンとした。
「まぁ、助けられてよかった」
と星乃。
___今思えば、アレが神様からの忠告だったのかもしれない。