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ちょいと変わったノンさん~お祭り パラレルワールド編~

この世界のるいとノンさんはちょいと変わったノンさんの世界とは関係ありません。

祭り?そんなん知らね~よ

おれ、るい。元々ヤンキーだった。おれは女子が苦手だ。いわゆる女子恐怖症って奴だ。
「るいるい?」
こっちはノンだ。一応彼女。
「なんだよノン。」
とおれが言うと、ノンは
「祭りいかない⁈」
と無邪気に言った。
「祭り?そんなん知らね~よ。」
とおれ。ノンは
「そんなこと言わずにさぁ。一緒に来てよ~。」
と上目遣いで言った。そんなんされたら断りにくいじゃね~かよ。
「わかった。行くよ。」
と言うと、ノンはパァっと顔を明るくして
「ありがとう!」
と言った。
「礼を言われることをした覚えはねぇ。」
とおれ。
「いや、るいるいは来てくれることだけでもありがとうなの。」
だって。意味わかんね~。

お祭り

お祭り会場へ着くと、人がいっぱいいて盛り上がっていた。この感じ、何時ぶりだろう?行事が好きじゃないからなぁ。
「るいる~い!」
あ、ノンが来た。
「待った?」
とノンが言った。
「いや、そこまで待ってない。」
とおれ。
「それより、どのお祭りの屋台が楽しみ?」
ノンが先に聞いてきたのに、そんなことなんて。やっぱ女子ってわかんねぇ。
「別に。強いて言えば射的かな?」
とおれが言った。ノンは
「私は花火!楽しみだな~。最後の花火。」
と言った。花火?最後に花火が見れるのか。楽しみだな。
「じゃあ、何からする?」
とノン。
「そうだなぁ。射的でもするか?」
とおれが言うと、ノンは
「そうしよう!」
と言って、射的の列に並びに行った。幸い、射的の列はあまり並んでいなかったので、並ぶ時間は短かった。ノンが先にやった。だが、ノンはすべて外してしまった。
「あ、あ、あぁ。失敗・・・・・・しちゃった。」
とノンは悲しそうに言った。おれは励ますために言った。
「またやればいいよ。」
ノンは
「そうだね。」
と言ったのに、もう一回やろうとはしなかった。
「次はるいるいだよ!」
と言ってせかしてきた。おれは射的のおじさんにお金を渡して射的の道具を貰った。そして、打とうとしたが、おれの欲しいものが無かった。
「えっと・・・・・・ノン、何か欲しいものあるか?」
とノンに聞くと、ノンは
「あの紫の熊!」
と言った。ノンの指差した紫の熊をおれは狙った。だが、一回目は外してしまった。くじけず二回目、三回目とするが、外してしまった。ラスト一球となった。おれはラスト一球を頑張った。そして当たった!後ろに落ちた。よし、ゲット!射的のおじさんから紫の熊を受け取って、ノンに渡すと、ノンはキラキラとした表情で、
「ありがとう!るいるい!」
と言った。

謎の少女

「あれ?あそこにいるのって・・・・・・。女の子?」
とノンが言った。ノンの向いている方向は塀の上だった。塀の上に女の子?そんなのいるわけ・・・・・・いるわけ・・・・・・いる!

謎の少女

その少女はついてきなさいと言ったように、手を振った。
ノンは
「大丈夫?そこに居るのは危ないよ~。」
と近づいて言った。
謎の少女は首を横に振って危なくないよと伝えているようだった。
そして、次から次へと他の塀や家の屋根を使って進んでいく。
おれとノンはついて行った(謎の少女がのぼっている家の近くを走って)。謎の少女は青と赤のオッドアイだった。
おれとノンが謎の少女を走って追っていると、同級生のナッツに会った。「おう!」
とナッツ。
「よう。」
とおれ。そして隣を走っているノンを見て驚いたような表情になったが、何か察してくれたようで
「頑張れよ!(しっかし、るいがノンさんと仲いいとは・・・・・・なぁ。るい、もっと仲良くしろよ!)」
と言った。おれは
「ありがと。」
と言った。
そして謎の少女を見失ったかと思って不安になるけど、謎の少女はナッツのいた家の前の三個後ろの家の塀にいた。待ってくれていたみたいだ。
その後、謎の少女は塀からピョンと降りて走っていった。おれは走りまくって追いかけた。何故かはわからない。ただ、本能がそういっているのだ。
そして、霧の中に謎の少女は姿を消した。おれは霧の中に入るのを戸惑った。
迷ったので、ノンに声を掛けようと後ろを向くと、後ろを走ってついてきていたはずのノンが居なかった。おれは先に行ったものだと思い、追いかけるのを始めた。
そしてついたのは一軒家。
そこのベンチっぽい所は謎の少女が座っていた。

謎の少女

その時の謎の少女は紫と水色のオッドアイ。目と服とふいんきが微妙に変わっているのはいいとして。ノンが居ない。謎の少女に、
「ノンはどこだ!」
と聞くと、謎の少女は黙ってモニターを指差した。そこには、霧の前に立ち止まっているノンが居た。謎の少女はおれの手を引いて歩く。そして一軒家の中へ入っていった。一軒家の中には変なゲートがあった。
「んだよこれ。」
とおれがゲートの前に立って謎の少女に聞くと、謎の少女はそのゲートの前に立っているおれをゲートの中に押し込んだ。
「・・・・・・。」
と謎の少女は無言のまま。そして紙に何かを書き始めた。

違う世界線へ、行ってらっしゃい。

そして、おれに書いた紙を見せた。違う世界線?とおれが思ったのその直後。おれは気を失った。

そして目を開けると、謎の空間にいた。そこには、おれそっくりの男の子が居た。
「ド、ドッペルゲンガー⁉」
とおれそっくりの男の子。
「お前誰だよ。」
とおれが聞くと、おれそっくりの男の子は
「おれはるいだよ。君は?」
と言った。
「え?おれもるいだけど?」
とおれ。しばらくの間、沈黙が続く。そしたらるいは
「あのさあ、そっちの方にノンさんって子、いる?」
と聞いてきた。
「ノン?いるけど。・・・・・・お前は違う世界線の住民?」
と聞くと、るいは
「もしかして?そうだったり?」
と言った。そうか。るいが知っているわけじゃないのか。
「ここはどこだ?」
とおれが試しに聞いてみると、るいは
「知らない。」
と言った。そしたらモニターが表示されて文字が映し出された。
『今からあなたたちには入れ替わってもらいます。』
と。
「あ?それどういうことだよ!」
とおれは言った。そしたら自分の周りが光った。

そして目が覚めたのはいつもの自分の家。あれ?
「母さん、おれって祭りにいたはずじゃあ?」
と母さんに聞くと母さんは
「何寝ぼけているの、るい。」
と言った。なんか、おれの知っている母さんじゃないような気がする。何かが違う。


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