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ちょいと変わったノンさん ~お化け屋敷編~

おれ、るい。
「るいるーい。」
こっちはノンさん。ノンさんは最近、髪の毛の色がしょっちゅう変わる。朝見たときはピンクだったのに昼見たときは紫だったり。ノンさん、髪をそめたところが変なところだったって言っていた。いったいどんな美容院だよ。ノンさんは少し青ざめて
「お化け屋敷に、本物のオバケが・・・・・・。」
と言う。オバケ?おれも怖くなって震えた。
「というのは嘘で・・・・・・。お化け屋敷に行かない?」
さっき話を聞いたから行きたくないよ~。でも、
「いいよ!」
楽しそうじゃねーか。俺様も混ぜろ。

お化け屋敷 るい、憑りつかれている⁉

お化け屋敷は遠いから、ノンさんの車に乗せてもらった。
お化け屋敷の列に並んで周りを見ると、カップルがたくさんいた。
もしかして、おれたちもそういう風に見えているのかな?
「ねぇるいるい。最近様子がおかしくない?」
とノンさんが疑ってきた。ノン、勘が鋭いな。気を付けないとな。
「おかしくないけど?」
あっぶね~。おかしくね~よって言う所だった。
「そう。」
気まずっ!おれ、様子がおかしくなっちゃったのかな?ナッツに聞いてみるか?
「るいるい、そろそろだね。」
とノンさん。順番がついに来た!
「入ろう。」
とノンさんが緊張した声で言った。

「・・・・・・(お化け屋敷では仲良くなれるチャンスだってキューピッドのみあんさんが言っていたもの。この機会を逃すわけにはいかない!)。」
「・・・・・・(気まず!前、本当にオバケがいるって言われて怖い。おれが叫んだらかっこ悪いか?)」
気まずいまま、お化け屋敷から出てくると、そこには・・・・・・
何も無かった。

ノンさんが
「お化け屋敷、全然怖くなかったね。」
と話しかけてきた。
「まぁね。」
気まずかったから怖さなんて気づかなかった。そりゃあ本物じゃね~からな。
「るいるい、これを食べてみて。」
ん?ノンさんから渡された物を食べてみると、おれの後ろに何かが見えた。
「えっ!誰⁈」
そこに居たのはこんな人?だ。

むーま

その?の周りだけ、景色が違うかった。ノンさんは、
「可愛い~。」
と言って、おれに言った。
「みあんさんにるいるいの様子がおかしいって言ったら幽霊の見える薬をくれたの。それを私とるいるいが食べたから見えるようになったんだね。」
と言った。みあんさん?仲良くしてるんだね。そして、ノンさんが
「可愛いね。名前は?」
というと、その子は
「可愛いだと⁉俺様はかっこいいの方が好きなんだ!」
と言った。俺様?
「わかった、かっこいいね。名前は?」
とノンさんが言いなおすと、その子は
「むーまだよ。さっき言ってたみあんってどこにいる?」
とノンさんに聞いた。
「今度教えてあげる。その前にさぁ、るいるいに憑りつくの辞めてくれない?」
とノンさん。
「わかったから、みあんの居場所を教えて。」
素直だなぁ。・・・・・・ていうか、幽霊だったよね!何で普通に会話してんの⁈みあんさんも幽霊と知り合いとか怪しくなってきたし。
「では今から行くから教えろ。」
横暴だ~!
「わかったわ。また明日教えるから、今日はバイバイ。」
とノンさんは言って切り上げた。
幽霊のむーまは不満そうだったが、素直に帰って?いった。
「ノンさん、何で幽霊が見えたの?おれが食べたのは何だったの?」
とおれがノンさんに聞くと、ノンさんは
「この前からるいるいの様子が変だったから、みーちゃんに相談したの。その時にもらったのがその食べ物で、食べたら視えるようになったんだ。あ、大丈夫。3分くらいで効果は切れるから。」
と答えてくれた。みあんさん、何者なんだ?
「るいるい、今日はバイバイ。」
とノンさんは言って帰っていこうとした。おれはノンさんの腕を引っ張った。
「あのさ、これからご飯屋さんに行かない?」
「いいよ!」
とノンさんは言いながら泣いていた。
「どうしたの?悪いことした?」
とおれが不安になって聞くと、ノンさんは
「るいるいから誘ってもらったのがあまりにもなくて、嬉しくなっただけだよ。」
と言った。確かに、おれから誘うこと、あんまりないかも。ナッツから男なんだから、思い切っていけよ!って言われることもあるけど・・・・・・。自分らしさを大切にして、自由に生きるっていうのがおれの方針だ。
だからおれは、男の子だから、女の子だからには負けない!
「るいるい、乙女心をわかってないね。」
乙女心?
「私だったら、こういう時、ご飯屋さんよりもカフェとかお洒落なところがいいな~。」
ノンさん、最近、乙女心って何回か言ってないか?
「でもノンさん、カフェのご飯だけじゃあ、物足りないんじゃない?」
「・・・・・・。ごめん、ちょっとだけ、用意する時間ちょうだい(るいるいは男の子、乙女心をわかれる男の子は少なめだから、るいるいは乙女心を知らないんだ)。」
時間?

カフェに行くの~!

「待った?」
とノンさん。
「待ったよ。」
とおれが正直に答えると、ノンさんは
「遅れてごめん。それよりもさ、どう?」
「何が?」
とおれが聞くと、ノンさんは
「服、似合ってる・・・・・・?」
と聞いてきた。
「に、似合ってるよ・・・・・・。」
とおれ。
「ホント!よかった~。じゃあ、カフェにいこっか。」
結局、カフェに行くの~!

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