テキトーを重視して─────────────

~歩弥視点~

私はメイド服に着替えた。

そして、女子更衣室から出て、右に曲がって教室に入る。

私が一番最後だった。

みんな教室の扉に背を向けている。
私はゆっくり近づいた。

すると私に気付いた恋奈が私に手を振る。

「来て来て!」

なにするんだろう?
私は恋奈と叶斗の間に入った。

「よっしゃ、1年〇組行くぞぉ~~!」

リーダー格の雌鬌 募忑鋳めだ つのとくいが言った。

「お~~~~~~~~!」

みんなの声がそろった。

……文化祭やるだけなんだけどなぁ、?

「じゃ、恋奈、接客よろ~」

「ラジャッ!」

叶斗が看板を立てた途端、客がドッと押し寄せて来た。
恋奈はそれを華麗に捌いて行く。

それに対して私は来る人に戸惑って
『ラブラブ♡オムライスライス』
と言われても
『牛の生肉』
を注文してしまう。

「すいませんっ!」
「え、えっと、あの、ごめんなさい!」
「キャァァァア違うの?」

私の悲鳴や謝罪が響き渡る教室。

お客さんが私を指差し、
「あの子ドジで可愛いな~」
何か言った。
恋奈が私を見た。

めだと恋奈が心配して、
「大丈夫か?厨房変わるか?(俺より目立ってるなんて、、、クソッ)」
「大丈夫?変わった方が良いんじゃない?(こういうのが無意識にモテる技術か私も真似しよ)」
と言ってくれた。
「うぅっ、お願い。。。」

私は厨房に行った。
だが、厨房では卵を割ると殻は入るわ塩はかけすぎるわで役に立つどころか足を引っ張ってしまった。

「お願い!ホールに戻って!」

とクラスメイトの子にお願いされてしまった。

「わかた」

ホールに戻ると、あの、昴先輩と寸也斗先輩がいた。
後叶斗がなぜかメイド服を着ていた。
接客をしている。

私は昴先輩たちの担当になった。

「えっと、オムライス」(昴)
「なら俺魚で~」(寸也斗)

私は厨房に伝えに行った。

そして、出来上がった物を席に持っていく。

「昴先輩ッ!これどーぞ!」
「いやこれ俺殺そうとしてない、?」

昴先輩に出したのは生の牛肉の上に卵をそのまま乗せて、その上にオイスターソースをブチャッとかけてあるものだった。

「昴先輩が注文したものですよ?」

「は?」

「え?」


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