チーム開発における課題解決アンチパターン

この記事を読みました。とても首を縦に振る記事でした。

読んでる中で、本人は十分に自分は課題を解決しているつもりでも、実際はそうはなってないことっていうのがよくあるなぁと思いました。この記事では、思いつくままにどういうパターンがそんな事態になりやすいか、つらつらと書いてみようと思います。

早速。

① 「不快」を表明するだけパターン

冒頭に紹介した記事にあるここのところ。

例えばあまり理にかなっていないと感じる制度に対して「これなんでずっとこうなってるのか謎」「こう変えればいいのに」とコメントしたとして、これは問題の指摘と言えるだろうか。これは認知してるだけで、問題の指摘にはなっていないと自分は思う。

こういったコメント自体が「課題の指摘」どころではなく「課題解決」に十分になっていると思っている人をちらほら見かけます。

何もできないから「まずは表明だけでも!」という気持ちもわかります。ただ、表明するだけでなく、中にはかなり当たりの強い人も居ます。これは、例えばチーム開発を共同生活に例えるとしたら、足元のゴミを指さしながら拾わずに「ここにゴミが落ちてるんだけど!!!!!」って叫んでるだけな行為に近いんじゃないかなとすら思っています。

できるなら「ゴミを捨てつつ報告」したり、「ここにゴミが落ちないような仕組みを考えよう」という建設的な議論ができるようにつとめたいものです。

② 「自分には権限がないから...」パターン

これは「自分がやる権限ないし...」(だから、不快を表明するだけ)というパターンをちらほら見かけます。

例えばチームの朝会を毎日 10:30 にやっているとして、timesなどに「なんでこんな朝早くからやらないといけなのか意味わからん」みたいことを書きこんでいる。そしてチーム外の同僚から「チームに時間変更を提案してみたらどう?」と言われると「そんなことする権限、自分にないし、、」と言うようなケースです。

しかし、実際にはそもそもそのことを実行することに権限など必要ないことがほとんどです。チームでは各メンバーに多少の役割があるものですが、そこで起こる課題を解決するのに、誰がやってはいけないといったことはめったにありません。

もちろん、本当にないこともあります。ただその場合も権限を持っている人に動いてもらうように促せばいいだけです。そして、そこに正当性があるのなら、たいていの人は動いてくれるものです。

③ 「不安」と「課題」を混同するパターン

「不安」と「課題」を混同してしまうケースも良く見かけます。

例えば、チームの週一の振り返りの場で「今のペースでリリースできる気がしない」という"プロブレム"が上がってくるようなケースです。

「リリースできる気がしない」の奥に「XXXという課題があるから」というものであれば、議論のしようもあるのですが、まだベロシティもでていないような開発初期でそういった議論をしてしまうことがあります。この場合、いくら話しても結論としては「今は数字がでて、間に合うかどうかわかるかまで、やるしかないよね」しかありません。

「不安」には「課題が原因となっている場合」と「課題がない(まだ何も見えてないだけの)場合」があります。可能な限り不安ではなくて、課題は何なのかにフォーカスしましょう

④ ゼロからやり直しましょう症候群

開発も中盤などに差し迫ったころに様々な課題がでてくることがあります。こうなった時に、まれに「一度ゼロからやり直しましょう!」と声を上げるケースを目にします。

いったんリセットすることになるので課題もリセットされるという考えなのかもしれません。

ただ、あまりにもコストを度外視すぎますし、リセットしたところでまた一つ一つの課題を解決しないかぎりは、同様の課題に直面することの方が多いのではないかと自分は考えています。

(もちろんこれが有効なケースもあります。ただし、その場合は必ずコストをしっかり考えられている場合に限ります。)

以上。自戒を込めて。何かあれば、追記していきます。

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