ミラクルズ from「もう一度君と踊りたい」


こんにちは、柚希泰夢です。前回の記事で朗読劇「もう一度君と踊りたい」について書きましたが、今回はその登場人物とキャストの方それぞれについて書かせて頂こうと思います。当方アーカイブを止めては戻し止めては戻ししながらじっくり観まくった厄介ヲタクですので、ネタバレ含め結構細かいところまで言及します。ご了承下さい。



りんちゃん(藤原樹くん)

主人公だな!!って感じの人物でした。心情文を読むメインの二人がりんちゃんとたーちゃんで、心情の変化描写が劇的なりんちゃんに比べたーちゃんは心情変化が表に現れにくい人物だったからでしょうか。りんちゃんは大人しい雰囲気の割に感情の山が大きくて、しかもそれがめちゃくちゃ人間臭くて良かったです。後述しますがたーちゃんがビジュアルや、達観しているところなど割と浮世離れしていたので、アンバランスさもある対比でした。

そんな主人公りんちゃんのスタートラインにいるのが、ダンスの楽しさを教えてくれたタカシ兄ちゃん。幼少期でしか出てこないと思ったらきちんとその後も描かれていて、りんちゃんの分岐点にはいつもいるんだなと思いました。流石りんちゃんのヒーローですね。

たーちゃんのヒーローはりんちゃんなのにりんちゃんのヒーローは兄ちゃんなのね…と思わなくもないですが、それはもう仕方がない、兄ちゃんかっこいいから仕方がない。

彼の「人の夢を笑う奴は友達じゃない」という台詞が、形は変われど後々のミラクルズの分裂で効いているような気がして、なんというか、苦しかったです。たーちゃん達が夢を追うことを、はじめは笑顔で応援出来なかったりんちゃん。いつの間にか「5人」じゃなくて、「ミラクルズ」という名前に拘ってしまっていたりんちゃん。見ていて本当に苦しくて、でも痛いほど気持ちが共感出来てしまうからもうどうしようもなくて、激昂するシーンは目が離せませんでした。その後、気力を無くしてしまったところもすごく生々しくて…本当に、生々しい、人間臭い、それに尽きる人物でした。


そして演じた藤原樹くんですが、まず顔がおよろしい。その上で目に感情が出にくいので大人しい雰囲気だけど感情の激しいりんちゃんがハマってました。

藤原くん以外の方が演じるりんちゃんのベースに大人しい雰囲気があるのかは分かりませんし、まずもって藤原くんにあまり詳しくないのですが、藤原くんらしいりんちゃんだったんだろうなと思います。あと個人的にはりんちゃんの母親の台詞を読む時の声の柔らかさが好きでした。りんちゃんはあまり出さない声だなと。たーちゃん含め幼少期から喋り方が一貫していたので後半幼いな〜とも思いましたが、あくまで夢を追う「少年」達の物語なのかな…と少し切なくもなりました。

あと最後のダンスの力強さがとても印象的でした。振り付けをされたそうで、役として、本人としての思い入れの強さを感じました。そして体格の良さ!体が分厚い…!?!?綺麗な見た目の割に声に迫力があるのはこういうところからきているのでしょうか。



おがぴー(岩谷翔吾くん)

とてもリアリティのある境遇を持つ人物でした。「そういうことだなって思っちゃった」がヤバかったです、その一言で完全に落ちました。

裕福な家庭の大学生のたーちゃんを置くとおがぴー以外どうやって生計を立てているのかいまいち伝わってこない中で、おがぴーの存在は高校を卒業したような歳で夢を追い続けることの将来の不透明さを表す上で必須だったように思います。5人だけのグッズ作ってきたり、最後踊ってる時一人だけ笑っていたりと、ミラクルズへの愛がよく分かる子でした。他の子とは違ってダンスに関係の薄い事情で辞めると言い出すのは、他とは違う辛さがあっただろうなあと思います。


そして岩谷翔吾くん。最後のアフタートークを見るに彼自身もとてもミラクルズを大事にしているのだと思います。前回も書いたので詳しくは書きませんが悔しさの表現が本当に好きです。あと笑顔が笑顔過ぎる。「店でっかくして待ってるよ」とか最高でしたね。愛に溢れてました。あの笑顔一生守りたい。岩谷くんがおがぴーで本当に良かったです。



ごっちん&タカシ兄ちゃん(佐藤大樹くん)

二人とも、ダンスへのプライドを躊躇いなく表現出来る人。凄くかっこよかったです。

ごっちんの「可能性持ってんのに否定すんなよ」に選ばれなかった彼の思いが滲み出ていて、これまであまり彼の柔い部分が描かれていなかっただけにとても揺さぶられました。たーちゃんもダンスへの誇りを強く持つごっちんに言われたからこそ響くものもあったと思います。というかプライド高そうなのに選ばれなくてもりんちゃんほど取り乱さないの、現実主義者だな…ミラクルズで踊るの、本当に楽しかったんでしょうね。

勿論同じ人が演じているのもあるとは思うのですが、この二人のスタンスって被るところが多いので、ごっちんも絶対に夢を叶えると思います。


佐藤大樹くんは、岩谷くんもそうですがあまり台本を見ずに話していて、朗読っぽくないなあと一番感じる方でしたし演技もこなれていたように思います。ダンスへの態度が毅然としたごっちんと演技にブレがない佐藤くんがとても似合っていました。調べたところ五人の中で一番年上ということで、お兄さん役にも違和感ありませんでしたね。

彼のグループについて少し調べてみたら、たーちゃんが亡くなった連絡をする役を彼にやらせるのか…と少し複雑な気分にはなりましたが、まあ、このあたりは前のnoteでも書いたので、結局気持ちなんて本人にしか分からないということで締めておきます。



たーちゃん(長谷川慎くん)

擦れていない育ちの良い子供と、冷静な大人が入り混じっていて、それを独特なオーラとして纏える子だったのだと思います。幼い頃から自分の家庭がいかに恵まれているかを自覚していて、理解していて、りんちゃんの靴が無くなったら彼がダンスを嫌いになってしまうと必死になれるぐらいには察しが良くて、ダンスが大好きだけどそのために今は大学のための勉強をしなくちゃいけないって自分のやるべきことを見失わない賢さがあって。

でもダンスと感情表現に関して言えば、彼は幼すぎるぐらい年相応で、素直で。りんちゃんのダンスを見て目をパッと開いて、その後くしゃりと笑いながら「かっこいい〜」って言った時、彼の根っこが少しだけ見えたような気がしました。

他にもりんちゃんの靴を見つけた時、「ダンスで勝負しろよ」と怒る時、「人生かけてやってんだ」って言い切る時、受験に受かった時、りんちゃんの初の給料でビールを飲む時…自分の好きなもの、誇りに思うことについての彼の感情表現は愛おしくなるほどまっすぐです。その一方で、事務所の採用については雲行きを怪しむ冷静で大人びた面もありました。それでも彼が最後まで「こんな今も楽しもう」という楽観ともとれる前向きな気持ちでいれたのは、別れの近づく中でりんちゃんに「大好きだよ」と笑えたのは、やっぱりヒーローの存在のおかげなのだと思います。

最後のダンスの前に同じ一日をなぞるシーンは、愛されて育って、りんちゃんのおかげでまっすぐ素直なまま夢を追えた彼の全てが詰まっていました。「自分が生かされていることに感謝」できる素直な彼は、自分の運命を受け入れられるぐらいには大人です。それでも不安になったけど、りんちゃんのおかげでまた前を向けて。りんちゃんの隣にいることで、彼は大人でもあり、子供でもあれたのだと思います。二人の関係性が本当に大好きです。


演じた長谷川慎くんはもう本当に…まずあの綺麗な金髪、あと真っ白な肌。ビジュアルが儚すぎだと思います。一方で目をパッて開いたり、くしゃって笑ったりするといきなり雰囲気が幼くなって、愛されて育ってきたことがよく伝わってきて、いや、何から何までたーちゃん過ぎるでしょう貴方…の連続でした。「バイバイ、ありがとう」とかそのまま消えてしまうんじゃないかと…(恐らく)ピアスを外されていたのも良かったです。

あと「オーガスト!!」って強めにいうところで、あ、やっぱ池田勇次郎演じた人だ!!となれたのも嬉しかったですね。それこそ勇次郎の時も思いましたが儚いビジュアルなのに体格がだいぶしっかりしていて、5人の中で一番大きいんだ…と少し動揺しました。



シミー(浦川翔平くん)

良い役でした…とても良い役でした……ミラクルズ決裂時の心情吐露に全部持ってかれました……メインの二人に比べ設定は素朴だし圧倒的に出番が少ないのに(あと演じる浦川翔平くんが他の役で好き放題やってるのに)、きちんと存在感があって、それは彼の設定と彼をめぐる展開が一つのストーリーとして説得力があったからだと思います。シミーは心情がリアルで、おがぴーは境遇がリアルなんですよね。本当にずるい二人です。

たーちゃんがいなくなったら、シミーはどうするんだろう。一番将来が気にかかりました。りんちゃんと衝突した時は認めて貰えて嬉しいと言っていたのに、たーちゃんに事務所入りを勧めるシーンでは結局自身をたーちゃんのおまけのように見ている節があるのかな…と。

事務所入りするにしてもしないにしても、りんちゃんの言葉をきっかけにシミー自身が自分の魅力を自覚出来ると良いなあと思います。ミラクルズを辞めるってはっきり口に出来る彼だから、きっと大丈夫ですかね。


そんな普段ちょけてばかりの癖にずるいシミーでしたが、一番ずるいのは明らかに浦川くんご本人だと思います。あれだけ他の役でふざけ倒してるのにシミーそんなこと考えてるなんて思わないじゃん…考えていたとしてもあの場であんな風に気持ち吐き出すと思わないじゃん…ある意味ハマり役ですね。自身も言っていた通り流石にふざけすぎじゃない!?と思う場面もありましたが…(さっきまで泣いてたのにいきなりキャラの濃い先生出してくるのはなんなんでしょう、情緒不安定になるかと思いました)

あと何よりふざける役ではあり得ないぐらいがっつりカメラ目線なのに大事なところはカメラ見ないのもずるいですね。もうずるいしか出てこない。また、彼がページをめくるときに台本が少し見えたので止めてよく見てみたのですが(キモヲタ過ぎる)意外と書き込み少なくて面白かったです。あれノリでやってたんだ…「笑」って書いてあるのは読み取れました。書き込む基準が謎ですね、そこは笑えって指摘でもされたのでしょうか。






さて、文字数がエグいことになっていますがとりあえず各人物への愛を吐き出せたので満足です。観劇後のメモを元に書いているので支離滅裂だったと思います。気力が出た時に書き直す予定ですが、ひとまずは熱量そのまま書き殴ったものとして残しておきます。


あと最後に一つだけ!

劇の最後!!スポット消えるの早くないか!?!?たーちゃんの表情ほぼ見えないのですが!?!?


…まあ、これはこれで素敵な演出だと思いますし良いのですが。とりあえず暗転後すぐに画面切り替わるのは勘弁して欲しかった…余韻に浸らせて…と。

アフタートークもありましたが、時間を置かないと見れないぐらい本編に入り込んでいたものですから…まあ、これは完全にヲタクの勝手な事情というやつですね笑


では、最後までお読みいただきありがとうございました。




劇中のミラクルズも、5人を魅力的に演じてくれたミラクルズも、大好きです。またどこかで会いましょう。

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