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人生で一度は心で読みたい記事

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短編📕忘れられた自分

今、私の家では私に興味を持った人がいない。 嫌いとか、そういう事ではなくて。 一番辛いであろう『どうでも良い』という感情だ。 いつも大切な場面に自分は居ない。 周りが気付いていなくても私は分かっていた。 行事で残す記念写真、いつの間にか撮り終わっていた。 兄の小さい頃の写真のアルバムは6冊で、私は2冊。 これから先の事を決める話合いも、すでに行われた後に結果だけ知らされる。 引っ越す時は駅まで40分歩くところを15分と伝えられた。 それでも、ついて行くしか道は無い。 ご飯を

そんな人間だから、君は成功できなかったんだよ

 ナースステーションの前を通ったとき、後ろから声をかけられた。 「あの、私、今度結婚することになったんです」 「それはそれは。おめでとうございます」    若い女性看護師のIさんだった。呼び止めてまで報告するような関係でもない。だから何か話したいことがあるのだと、すぐに察した。 「彼は……Aなんですよ。みつるさん、知ってますよね?」 「あ、ああ……知ってますよ」  気まずい。もう話を打ち切りたかった。が、Iさんは続けた。 「Aがみつるさんは今どうしているのか、気に