マガジンのカバー画像

あり得ない日常

66
フィクション続きもの
運営しているクリエイター

#仕事について話そう

あり得ない日常#30

 歳を無駄にとると、前に自分が何を言ったのか、質とは何かすら、よく分からなくなるらしい。  そのくせ無理に周囲と関わろうとするから厄介だ。  何がそうさせるのだろうか。  怖い怖い先達がいなくなり、まるでそれは糸の切れた凧、無駄に肥大化したプライドが服を着て宙を舞っているようである。  いつどこに落ちてくるかわからないから迷惑、目障りだ。  肝心なものもそれほど大きいわけがなく、大きくもならなかった役立たずが、まるで電球が切れる直前のように、やたら元気である。  

有料
100